ありふれた商品でもカテゴリーキラーになれるキラーウェブを創る(2) ケンコーコム(3/4 ページ)

» 2009年05月29日 08時00分 公開
[前野智純,ITmedia]

いいサイトをつくれば評価される

 また、アクセスログを解析しているとGoogleからのアクセスが日に日に目立つようになってきた。Googleが検索エンジンで指向しているのは「徹底したユーザー中心主義」だった。

 そこでケンコーコムでは、Webサイトのフレームを「Google仕様」にシフトさせる。これまでも、海外の著名なECサイトの構造をベンチマークして、それを参考にサイトを作っていたが、この時点でより「検索エンジン受け」するサイトに作り替えた。

 そうすると、商品数を増やすことがますます効いてくる。理由は2つだ。1つは「ユーザーにとっていいサイト」とは何かを考えたとき、ケンコーコムのようなECサイトの場合は、コンテンツが商品そのものである。つまり、たくさん商品があるサイトが、ユーザーにとっていいサイトなのだ。商品が増えると、グーグルが高く評価してくれる。

 もう1つは、それまでのYahoo!に代表されるディレクトリ型とは違い、ロボット型の検索エンジンは、すべてのページが入り口になる。つまり商品を増やせば増やすほど、サイトへの入り口は無限に増える。売り上げのアップは、商品数の増加が明確なドライバーとなった。

 商品に関する情報をしっかりと伝えると同時に、商品数を増やす。このかけ算で「情報の面積」を増やしていった。その時期になると「商品数を増やせば売り上げが上がることが手に取るように分かった」という。

 ケンコーコムのロングテールを数字で見てみよう。2006年度の実績に基づく売り上げ1位の商品(杜仲茶)は、全体の0.72%。1000位までが同36.37%で、1万4000位までが同82.6%を占める。つまり上位20%の商品が、売り上げ全体の80%強を占めている。「ロングテールが進めば進むほど、パレートの法則に近づいていく」(後藤氏)という言葉を裏付ける数字である。

ユーザー視点こそがSEO

 SEOの話題になるとケンコーコムの名前が必ず出てくるほど、同社のSEOの強さはよく知られている。

 SEOは、検索エンジンがどのようにサイトを評価するかを、検索結果から類推したデータを積み重ねて法則化したものだ。それそのものは「検索エンジン対策」といわれるように、検索エンジンを意識している。

 しかし、元来Webサイトとは、検索エンジンではなくユーザーの方を向いているべきだ。こんな至極当たり前のことが実践できず、小手先のテクニックばかりを追うサイトがあまりにも多い。明らかに本末転倒である。わたしは、ユーザー目線よりも検索エンジンを意識しているサイトで、一時的にSEO効果が出たとしても、ビジネスが継続しているところは寡聞にして知らない。

 SEOの要諦は、ユーザーにとって分かりやすく、そしてユーザーに喜ばれるサイトを作ること。後藤氏も「SEOは、結局はコンテンツを充実させることしかない」というように、基本はあくまでもそこにある。

 同社が講じているSEOテクニックのひとつが、独自のアフィリエイトシステムだ。アフィリエイトは、個人や企業にかかわらず、Webサイトを持っているユーザーと提携し、そこに広告を掲載してもらう。掲載料金は発生せず、売り上げに応じたコミッションが支払われる仕組みだ。もちろん、売上額は広告主と広告掲載サイトの双方が、随時サイト上で確認できる。

 ケンコーコムが独自のアフィリエイトにこだわる理由は、SEOのメリットがあるからだ。

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