NECとF5ネットワークスジャパンは、SAPの共同研究施設「COIL Tokyo」の仕組みを活用し、SAP環境の共同検証を実施した。
NECとF5ネットワークスジャパンは6月15日、SAPのERPが稼働するシステムの性能をそれぞれのサーバ製品や統合運用管理ソフトウェア、アプリケーションデリバリコントローラといった製品を使って向上させるための共同検証を実施したと発表した。SAPの共同研究施設「COIL Tokyo」の仕組みを活用した。NECの主な目的は仮想サーバ環境におけるSAP製品の動作データなどを取得することなどで、今後パートナー企業に正確なアドバイスができるとしている。
システム構成は、NECの省電力サーバ「Express 5800/ECO CENTER」と統合運用管理ソフトウェア「WebSAM」、F5のアプリケーションデリバリコントローラ「BIG-IP Local Traffic Manager(BIG IP LT)」だった。1台の物理サーバをVMwareを使って2台の仮想マシンにわけて稼働させている。
検証結果の中で、ECO CENTERを使うことによる省電力化と運用の効率化が目立った。従来型サーバ使用時と比較して、電力消費を62%削減できた。
一方、仮想サーバの立ち上げは比較的容易である分、乱立すると運用が複雑化する傾向があるため、今回のようなシステム環境を使った検証が役に立つとしている。
今回の共同検証は、2008年7月に発表されたSAPの共同研究施設「COIL Tokyo」がベースになった。日本独自の要求や業界特有の要件に適した解決策、エンタープライズSOAやグリーンIT、仮想化などの最新技術を提供するための研究施設という位置づけだ。COIL TOKYOにおける研究開発はパートナー企業や顧客の協業によって実施されている。参加パートナー各社が異なる機種環境を提供するため、実際に顧客に提供するシステムのシミュレーションなどを自社で環境を用意することなくできるのがメリットとしている。
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