米Blue Coat Systemsが2009会計年度の事業動向と2010会計年度の事業方針を説明した。
米Blue Coat Systemsは6月18日、2009会計年度(2008年5月〜2009年4月期)の事業動向と2010会計年度(2009年5月〜2010年4月期)の事業方針について、国内の記者向けに説明した。
2009会計年度の売上高は前期比46%増の約4億4500万ドル。2008年4月にはアプリケーション配信サービスの米Packeteerを買収。これにより、2009会計年度の顧客企業数は約1万5000社、導入実績は10万台以上に拡大した。
ワールドワイドセールス担当上級副社長のケヴィン・ビッグス氏は、「Packeteer買収による効果もあるが、それ以上に既存製品の販売が好調に推移した」と説明。地域別業績の成長率では、アジア・太平洋地区が77%増、欧州・中東・南米が51%増、北米が32%増となった。
新規顧客では、米国空軍やReuters、Royal Dutch Shell、Pfizerなどを獲得。国内では富士通、エース損害保険、カブドットコム証券などが顧客となった。同氏は、「軍事や金融などの分野で採用が広がり、WAN最適化およびアプリケーション配信がミッションクリティカルな分野で標準となりつつある」と話した。
同氏はまた、「アプリケーション配信では単にネットワークを高速化すればいいというわけではなく、本来必要とするアプリケーションを最適化することが重要だ」とも説明。ユーザーの実情について同社が調べたところ、帯域の30〜50%はYouTubeのような娯楽に使われているといい、同氏は「必要とされるビジネスアプリケーションごとに最適化を図ることで注力するわれわれの取り組みが顧客に支持された」と語った。
2010会計年度の製品展開では、Packeteer製品とBlue Coat製品の統合を推進するほか、10Gbps以上のハイエンドネットワーク向け製品の拡充、サポートするアプリケーションの拡大などを図る。
「既存製品群を一層進化させていく。特にユーザーから求められるのはコスト削減であり、帯域当たりのコストを削減できる技術を導入していきたい」(同氏)。特にネットワーク利用の可視化、WAN高速化、一元的なセキュリティ対策といったこれまで同社が主要な製品テーマに挙げてきた分野を充実させていくという。
なお、2008会計年度業績に占める研究開発比は約17%だったが、2009会計年度については開示していない。
同氏は、アプリケーションにフォーカスしたWAN最適化およびアプリケーション配信は企業の投資効果を高めるといい、2010会計年度に計画する製品が顧客拡大につながると予測している。
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