CSK証券サービス、東証次世代システムへの対応にIBM製品を活用高速化する情報配信基盤

金融マーケット情報配信事業を展開しているCSK証券サービスは、自社の証券情報配信基盤に、IBMのソフトウェア製品「IBM WebSphere MQ Low Latency Messaging」を採用することを発表した。

» 2009年08月27日 19時35分 公開
[ITmedia]

将来のさらなるスピード要件の高度化にも対応

 証券業界は電子化が加速し、取引の小口化やマーケット情報の増大とともに、取引基盤の高速性が市場参加者の競争力を左右する状況となっており、東京証券取引所は次世代システム「arrowhead」において、取引に関する処理能力を毎秒600件から毎秒8200件にまで引き上げることを計画している。金融マーケット情報配信サービス「MarketViewer」を運営しているCSK証券サービスは、マーケット情報量の増大に耐えうる高可用性を確保するとともに、東証次世代システムの処理能力に対応するため、情報配信基盤の見直しを検討してきた。

 今回採用した「IBM WebSphere MQ Low Latency Messaging」(以下、WMQ LLM)は非同期型のメッセージング処理を行うソフトウェア製品「IBMWebSphere MQ」ファミリーの1つで、特許取得のテクノロジーと、高信頼性に特化した設計により、データ量の変動が激しい状態でも常に一定の高速性を保証することを目的として開発された。本製品は、Linux上で最大、毎秒94万7000件の高スループット、最速29マイクロ秒の高速性を持つサーバ/クライアント間通信を実現している。

 現在、CSK証券サービスでは、WMQ LLMを活用した新しいMarketViewerの開発を進めている。新MarketViewerは、1秒間ごとの情報処理能力を現行の毎秒667件から、東証次世代システムの毎秒8200件をはるかに上回る毎秒5万件と75倍に引き上げ、2010年1月より提供開始する予定だ。CSK証券サービスは、今回の情報配信基盤の高速化によって、将来の処理スピード要件の一層の高度化にも容易に対応できる環境が整ったとしている。

MarketViewerのサービス概念図

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