Microsoftはまず、Vistaの失敗を認めるべき企業にWindows 7を売りたければ(1/2 ページ)

Windows XPにしがみつく企業をWindows 7に乗り替えさせるには、委託調査結果の数字を並べるのではなく、まずは信頼関係を構築する必要がある。

» 2009年09月17日 17時26分 公開
[Don Reisinger,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは、広範に普及したWindows OSの次期バージョンで企業ユーザーが何を期待しているのか確認するための調査を米Forrester Researchに委託した。さらに同社はこの調査の結果に基づき、Windows 7はWindows Vistaとは異なり、業務改革を目指している企業にとって魅力的なソリューションであると主張している

 だが問題が1つある。Microsoftの委託調査の結果は、同社の主張の明確な根拠にはなっていないのだ。

 Forrester Researchはこの調査で、社内のPCにインストールされるソフトウェアの増加、分散化・モバイル化をめぐる問題、ヘルプデスクへの問い合わせが多過ぎるといった現状を指摘した。Microsoftはこの結果を引き合いに出し、企業が全社的にWindows 7を導入すれば、これらの問題の多くが緩和されると主張した。長い目で見れば、企業はWindows 7を導入するだけで経費を節減できるという。Microsoftはとりわけ数字を強調しているようだ。企業はWindows 7を採用することで、電力コストの削減によりPC1台につき1年当たり54ドル節約できる可能性があると同社は主張する。さらに、ITスタッフの人件費の削減は、PC1台当たり年間89〜160ドルになるという。

 この主張は、経費削減だけに目を向けている一部の企業には訴求するかもしれないが、大多数の企業にとっては、それだけでは不十分だろう。Microsoftにとって最大の課題は企業にWindows 7を売り込むことではない。Microsoft自身を企業に売り込むことなのだ。

 Windows VistaではMicrosoftはあまりにもたくさんの約束をしたために、それらの約束を果たすことができなかった。同OSは設定なしに高いセキュリティを提供すると同社は約束した。企業にとって魅力的な新機能も搭載されているという触れ込みだった。さらに同社は、Windows XPよりも優れたOSだと述べていた。Microsoftがこれらの機能を提供するのに成功したかどうかを判断する基準が企業への普及であるとすれば、同社は失敗した。

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