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Twitterマーケティングの成功事例を分類する【前編】企業とTwitterの向き合い方(2/3 ページ)

» 2009年09月24日 18時00分 公開
[小林啓倫,ITmedia]

 企業のTwitter活用とは毛色が違うものの、もう1つ紹介しておきたいのがバラク・オバマ米大統領の例だ。彼が米大統領選挙の際にTwitterを駆使したことは有名だが、最近では医療保険制度改革をめぐる議論においても、興味深いTwitter戦略を採っている。

Tweet Your Senatorのイメージ Tweet Your Senatorのイメージ

 その中心が「Tweet Your Senator」というWebページだ。ここではユーザーが自宅の郵便番号を入力すると、Twitter経由で地元の上院議員に改革の支援を求めるメッセージを発信できる仕組みになっている。あたかもユーザーがオバマ米大統領の分身になって、彼のアカウントの代わりに支持を訴えるわけだ。ここで自動生成されるメッセージには「#hc09(ヘルスケア2009の意味)」や「#MA(マサチューセッツ州の意味)」といったハッシュタグが挿入されており、さらなるメッセージの伝播が期待できる(ハッシュタグの解説は第2回記事を参照)。

 ブロードキャスト型の利用に当たり、ユーザーの傾向を把握するツールが充実してきていることも見逃せない。Twitter上での話題を可視化するサービスが多数登場しており、ユーザーの関心に合わせて配信する記事を変更したり、ヘッドラインを編集したりできる。こうしたツールは、情報に対する注目度をいっそう高めることができるだろう。

 また海外では、フォロワー数や投稿数の多さとから影響力が大きいユーザーを見極め(「twinfluence」などのサービスで把握可能)、彼らのTwitter上での行動パターン(「TweetStats」などで把握可能)に合わせてメッセージの投稿時間を変えるといった手法も採られているようだ。

 ブロードキャスト型に分類される活用法には、単純にフォロワー数を追求するだけのアプローチ、RTやハッシュタグを使って効率的にメッセージを届けるアプローチ、「視聴者」の生活パターンに配慮するアプローチなど、さまざまな手法がある。ブロードキャスト型の情報配信では、企業はどうすればユーザーに情報を届けられるかを考える想像力が求められる。

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