マイクロソフト、携帯アプリ配信サービスの日本語版発表国産コンテンツの海外進出を

マイクロソフトは、スマートフォン向けのアプリケーション配信サービス「Windows Marketplace for Mobile」日本語版を12月上旬に始める。

» 2009年11月12日 17時36分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 マイクロソフトは11月12日、スマートフォン向けのアプリケーション配信サービス「Windows Marketplace for Mobile」の日本語版を12月上旬に始めると発表した。コンテンツ企業やソフトウェア企業など30社体制でスタートする。

Windows Marketplace for Mobileのコンセプト

 新サービスは、米AppleのApple StoreやGoogleのAndroid Marketと同様に、Microsoft製の携帯向けOS「Windows Mobile」を搭載するスマートフォン用のアプリケーションやコンテンツを入手できる。対象OSのバージョンは6.0/6.1/6.5で、当面は6.5(通称「Windows Phone」)のみで利用でき、6.0と6.1は近日中に対応する予定。利用にはWindows Live IDが必須になり、有償コンテンツを購入するにはクレジットカードも必要になる。

Windows Mobile 6.5を搭載する端末群。携帯電話から業務端末まで広範にカバーする

 Windows Phone端末は、同日までにNTTドコモの「SC-01B」、ソフトバンクの「X01SC」「X02T」、ウィルコムの「HYBRID W-ZERO3」が発表済み。これらの端末ではプリインストールされた専用アプリケーションから新サービスを利用でき、PCなどからは専用サイトにアクセスして利用する。

業務提携での期待感を表明する集英社の鳥嶋氏

 新サービスについて堂山昌司副社長は、「優れた品質を持つ日本のコンテンツを海外市場へ事業展開できるように支援したい」と説明。新サービスに併せてマイクロソフトは集英社とコンテンツパートナー提携を結んだ。

 集英社の鳥嶋和彦常務は、「以前から当社の作品を世界の子供たちへ提供したかったが、複雑な権利構造やビジネスモデルで適わなかった。今回の提携はそうした課題に適切に対応した理想的なプラットフォームになる」と述べている。

 新サービスで提供されるコンテンツは、ゲームやアニメ、音楽などエンターテインメントが中心で、アプリケーションでは富士ソフトの入力支援ソフトやイーストの辞書ソフトなどがラインアップされる。

 Windows Mobile事業を担当するモバイルコミュニケーション本部長の越川慎司氏は、今後の事業展開を説明。従来は企業向けサービスが中心だったが、Windows Phoneを皮切りにコンシューマー市場でもシェア拡大を狙うとした。Windows Marketplace for Mobileや、既に提供しているオンラインバックアップサービス「Microsoft My Phone」などのクラウド型サービスを訴求していくという。

Windows Mobile 6.5では6.1(右側の端末)に比べてUIデザインや操作性などを大幅に改善した(左、クリックで拡大)。集英社はドラゴンボールを米国と日本で無償配信し、2010年に有償化する計画だという

 スマートフォン向けのアプリケーション配信サービスでは、Apple Storeで約10万本、Android Marketで数千本の登録コンテンツがあるといわれる。越川氏は「当社のサービスでは数にこだわらない。品質で勝負する」と話し、商用で定評のあるコンテンツを中心に展開する考えを示した。同氏によれば、Windows Mobile向けアプリケーションは数万本があるが、個人が配布するフリーソフトや有償ソフト、企業のカスタムソフトなど種類や流通経路が無数にある。既存のアプリケーションをWindows Marketplace for Mobileに集約する計画はないと明言した。

 堂山氏は、最後に「新サービスとWindows Phoneはユーザーへの新たな体験と、パートナー企業への新たなビジネスチャンスを提供するプラットフォームにしたい」と話している。

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