しんこちゃん そりゃあ、ネットワークプログラミングです。そんじょそこらの人には負けません!
輩田さん よし、それだ。その尖った部分をさらに伸ばすようにしてはどうかな。メンバーから見て「この分野はやっぱりリーダーだよな」という部分があることはとても大切。わたしはね、リーダーはある意味メンバーの尊敬の対象であるべきだと思うんだ。
それに社内外で自分たちの事業の啓蒙(けいもう)活動をするときにも、尖った部分があると話を通しやすい。リーダーに社内外で認められた得意分野があれば、納得を得やすいものだからね。技術は身を助ける、ということだな。
しんこちゃん なるほど。そう考えると得意分野も、自分で得意だと思っているだけでは駄目ですね。認めてもらうためには、内外共にアピールし続けないと。
輩田さん そのとおり! さえてるじゃないか、しんこちゃん。この間も話したけれど、情報は自分からどんどん発信しなければ駄目なんだ。
リーダーシップを発揮している人たちの多くは、本を書いたり、ブログを書いたり、さまざまな集まりに参加して会話したり、頼まれて講演したり、記事を書いたりしているよね。そういう活動は目先のお金のためではなく、長い目で見て公に認知されていきたいと思ってやっていることなんだ。多くの情報を発信すればするほど反響もあるし、多くの人と知り合うきっかけにもなる。そうやってコミュニケーションしながら自分の思いを熱く語っていけば、応援も集められるというわけだ。
しんこちゃん 頼れる人がどんどん増えれば心強いですね。
輩田さん そうそう。要するに「リーダーは目先の仕事のことよりも、先を見据えた行動をしよう」ということだね。目先の仕事で忙しいとか、メンバーの管理で忙しいなんて言っているようでは、成し遂げたいことに近づけないよ。
しんこちゃん リーダーになると宣言したころの熱い思いが復活してきました! 疲れている場合ではないです。できることはどんどんメンバーに任せて、リーダーらしい積極的な行動をしなければ。そうだ! この輩田印のジュースを飲んで、これからもガンガン頑張ります。ゴクゴク……、ゴクゴクゴク……。
「まっずーい、もう1杯」「まっずーい、もう1杯」と言いながら、結局3杯もジュースを飲んで、しんこちゃんは元気に席に戻って行きました。ホッとした輩田さんも余ったジュースを一口――
輩田さん ぼば! ままま、まずい。こーれーはー、誠にまずい。
「頑張れ、しんこちゃん! しかし、こんなジュースを3杯も飲めるなんて、しんこちゃんは案外わたしよりもタフなのかもしれないな。さあて、わたしも負けずにバリバリ行かねば!」と、輩田さんも残りのジュースを飲み干して席に戻っていきました。
目標に向かってチームを動かすことが、リーダーの仕事。そのために、こんな視点を心掛けよう。
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日本シー・エー・ディー株式会社代表取締役社長・現役プログラマー。
多趣味で話し好きで説教臭い。
ITmedia オルタナティブ・ブログの「プログラマー社長のブログ」執筆中。
著書に、「プログラミングでメシが食えるか!?」、「プログラミングでメシを食わせろ!!」など。
ドジっ娘リーダー奮闘記の過去記事はこちらです。
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