クラウドで情シスの役割は変わる――InformaticaのヤングCIOExecutive Voice

InformaticaのCIO、ヤング氏にクラウドコンピューティング時代の情報システムの役割を聞いた。

» 2009年12月09日 08時00分 公開
[ITmedia]

 データ統合基盤ソフトウェア最大手のInformaticaのCIO(最高情報責任者)、トニー・ヤング氏が来日した。データクレンジングやマスターデータ整備の重要性など「データ経営」を実践する際に武器となる商品ラインをそろえるInformaticaで、CIOの立場から指揮を執るヤング氏に、クラウドコンピューティング時代の情報システムの役割を聞いた。


 企業の情報システムは3つの層で構成されています。下層から、インフラストラクチャー、ミドルウェア、情報およびデータに分けられます。ニコラス・カー氏は「IT Doesn't Matter」(ITなんて重要ではない)と言いましたが、それはインフラについていえば事実ともいえます。インフラ層はコモディティ化したため、確かに競争力の源にはならなくなりました。企業が差別化する要素は今、データの層に存在しているのです。

InformaticaのCIO、トニー・ヤング氏

 ここで問題になるのは、これまでのシステムは、製造、営業、調達など各部門でサイロ化しており、相互連携などはあまり進んでいないことです。企業の情報システム部門の役割は、部門と部門の連携だけでなく、全社視点でデータを活用できる情報基盤を構築することになるでしょう。

 インフラがコモディティ化すると同時に、部門間のデータ連携が重要になるという背景からも、企業情報システムのアーキテクチャが今後クラウド化していくのは間違いないと考えています。インフラなどのネットワークの下のレイヤーは、他社のクラウドサービスを活用すればいいと考えられるからです。

 企業がシステム化を検討する際の選択肢としては、クラウド、パッケージソフト、自社開発という優先順位になるでしょう。ここで、クラウドのサービスを利用する際に、ファイアウォールの内側で稼働するプライベートクラウドとして利用するアプリケーションと、外側のいわゆるパブリッククラウドの領域のアプリケーションを連携させなくてはいけないケースが出てきます。両者を連携させることで、クラウドの利点を享受できます。

 そんな場合も、データ統合基盤としてのわれわれの製品が役立ちます。Informaticaにとってもクラウド化の波は素晴らしいものだといえるのです。

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