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「“Amebaなう”はTwitterとカニバらない」――中の人に聞く

モバイル版に続き、PC版がリリースされた「Amebaなう」。とかくTwitterとの類似を指摘される向きもあるが、運営側の狙い、そして主なユーザー層となる女性の反応は異なるようだ。

» 2009年12月12日 08時00分 公開
[石森将文,ITmedia]
永山瑛子アシスタントプロデューサー

 12月8日にモバイル版(ケータイ版)がリリースされたAmebaなう。運営会社のサイバーエージェントでは、PC版の公開をモバイル版の1週間後程度と予定していたというが、日程を大幅に前倒した12月10日にサービスインする形となった。

 前倒しの理由について、Amebaなうを担当するサイバーエージェントの永山瑛子アシスタントプロデューサーは「モバイル版のリリースを受け、ユーザーから“PC版を早くリリースしてほしい”という要望が多数寄せられた。PC版のリリース準備は既に整っていたので、日程の前倒しを決めた。(サイバーエージェント社長の)藤田が、モバイル版Amebaなうでリリース前倒しをつぶやいてしまったことも、きっかけだったけれど(笑)」と話す。

 タレントの囲い込みがウリでもあるAmebaのサービスらしく、既に100人を超える著名人(叶姉妹や押切もえさん、元シブがき隊のフックンなど)が参画しているといい、ブログやピグを利用している一般ユーザーの増加も見込まれる。開始3日で、既に4000人にフォローされた著名人もいるという。

 「〜なう」という言い回しの発祥でもあるTwitterとは、よく似たサービス。だが永山氏は「Twitterとはカニバらない(住み分けられる)」と指摘する。

 永山氏は、Twitterユーザーには、比較的ITリテラシーの高い人が多いと分析しているという。自身もヘビーなTwitterユーザーであるという永山氏は、友人をTwitterに誘うことも多いというが、「まだ一般女性にはハードルが高い。せっかく誘ったけど、結果使わなくなったり、退会したり」(永山氏)というケースが多いという。

 加えて永山氏は、ハッシュタグを使いこなすのも(ITに詳しくない人には)難しいとみている。「ハッシュタグを理解していない女性が、たまたまTwitterのつぶやき内で“#”を使ってしまうと、タイヘンなことになる(笑)。Amebaなうではこういった取っ付きにくさを払拭した」と話す。

 なお不適切なつぶやきは、キーワードで判別し、投稿時に排除するシステムを備えるという。それで防げなかったものについては「運営側で監視しており、削除などの措置を取る」(永山氏)。

 Amebaの各種サービスを利用するユーザーは、その60%超が女性。そもそも、メインのユーザー層となるその女性からは、「Twitterっぽいね、とは言われることは少ない」(永山氏)という。「むしろmixiボイスとか、モバゲーのおたけびに似ていると言われることが多い」。

 Amebaなうでフォロー可能なのは500件まで。またつぶやきは1カ月間保持される。「ネタがなかったりするため、皆がブログを毎日更新できるわけではない。“ブログをやるまでの気は、ないのだけれど……”というニーズの隙間を埋められれば」(永山氏)。

1つぶやき当たり140文字までという仕様はtwitterと同じ。ハッシュタグ的な機能は備えないが、絵文字を使ったり、画像をアップしたりできる(画像はAmebaの各種サービスと連携させられる)。返信機能“Re:”や、コメント付き投稿の“RN”機能も利用できる。なお画像下部に確認できるのは、クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)を突いた脆弱性について警告する藤田社長のつぶやき。11日朝の時点で脆弱性には対策が図られたという

“あけおめつぶやき”でのダウン防止のため会社で年越し?

 Amebaなうというサービスの継続については、向こう3カ月の初速を踏まえたうえで、判断するという。

 “向こう3カ月”の期間には、年末年始が含まれる。“あけおめメール”でケータイキャリアのサーバに負荷が掛かるのと同様の事態が、Amebaなうのつぶやきで起こることも想定しているという。「(Amebaなうの)インフラチームと一緒に、会社で年を越さなきゃいけなくなるくらい、ユーザーに支持されたい」と、永山氏は笑う。

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