NEC、クラウド基盤のパッケージ「Cloud Platform Suite」を発表

NECは企業がクラウド基盤を構築するのに必要なハードウェア/ソフトウェアをパッケージ化したITプラットフォーム「Cloud Platform Suite」を発表した。

» 2010年01月21日 17時16分 公開
[石森将文,ITmedia]

 NECは1月21日、クラウド基盤構築に必要なハードウェア/ソフトウェアを統合したプラットフォーム製品「Cloud Platform Suite」を発表。中堅企業向けの「スタンダードパッケージ」、より高いスケーラビリティとFC-SANを備えた「エンタープライズパッケージ」、そして通信事業者の大規模データセンターなど向けに集積度を高め、DC-48Vの直流受電にも対応した「データセンターパッケージ」をラインアップし、同日より販売開始する。

 本製品は、サーバ(Express5800シリーズ)、ストレージ(iStorageシリーズ)、ルータやスイッチといったネットワーク機器(UNIVERGEシリーズ)、そしてこれらを統合管理するソフトウェア(WebSAM SigmaSystemCenter)があらかじめ構成された状態で納入される。ユーザー環境の個性に依存しないソフトウェア設定や機器の組み合わせ検証は、出荷時に行われるため、従来は構築に5日要していたところを、最短1時間にまで短縮できるという(スタンダードパッケージの場合/NEC調べ)。

 仮想化基盤は、スタンダードパッケージではHyper-V、それ以外ではVMwareを利用する。ただしどちらの場合も、SigmaSystemCenterが用意するGUIの構築画面から仮想環境テンプレートを呼び出し、クリックベースで仮想マシンを生成するというオペレーションは変わらない。そのため、基本的にHyper-VとVMwareの違いを意識することはない。

 NECの庄司信一 サーバワークステーション事業本部長は「Cloud Platform Suiteは、クラウドを前提としたNECのITプラットフォームビジョン“REAL IT PLATFORM Generation 2”を、製品として具現化したもの」と位置付ける。

NEC サーバワークステーション事業本部長 庄司信一氏(写真=左)、Cloud Platform Suiteのスタンダードパッケージ(写真=右)

 Cloud Platform Suiteはパッケージ提供が基本だが「どこまでカスタマイズに応じるかは、ユーザーの要望次第で、今後検討する」と庄司氏。ただし将来的には「サーバや運用管理ソフトなどを個別に開発/販売しそれらの構築サービスも請け負うというビジネスモデルより、(Cloud Platform Suiteのように)すべてを統合したパッケージとして提供するモデルのほうが、主流になっていくのでは」と見通しを述べた。

 各サーバベンダーともこれまで、例えば構成済みのブレードサーバをスターターキット的に販売するケースはあったが、ここにきてCloud Platform SuiteやIBMのCloudBurstのように、クラウドという切り口からアプライアンス的な製品化が図られるケースが続いている。

 NECでは今後1年間で、各パッケージを合わせ300セット(金額にして100億円程度)の導入を見込む。各パッケージの価格、出荷時期、構成は次の通り。

パッケージ 税別価格 出荷時期 構成
スタンダード 871万円〜 2月下旬 サーバ1台(最大4台)
エンタープライズ 3880万円〜 4月以降 サーバ4台(最大16台)
データセンター 2億5000万円〜 2月下旬 サーバ40台(最大40台)

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