日本アバイア、ノーテル事業の買収後について方針説明

日本アバイアは、買収したNortelのエンタープライズソリューション事業との統合について状況を説明した。コンタクトセンター分野やユニファイドコミュニケーション分野へ引き続き注力する。

» 2010年01月25日 16時49分 公開
[國谷武史,ITmedia]
米Avayaのブランコ氏

 日本アバイアは1月25日、Nortel Networksのエンタープライズソリューション事業買収に関する今後の展開についてメディア向けに説明した。コンタクトセンター分野やユニファイドコミュニケーション(UC)分野への取り組みを強化する。

 買収はNortel Networksが2009年1月に破産保護を申請したことに伴うもので、米Avayaが同年9月に企業向けコミュニケーションシステムを中心とした同事業の買収を表明。買収金額は約9億ドルで、12月19日に完了した。

 説明の冒頭では、AvayaのUCソリューション製品管理担当副社長のホーヘイ・ブランコ氏が、買収の全体概要について紹介した。買収理由について、Nortelの保有するコンタクトセンターやUCの事業基盤を取得することで、顧客基盤や販売流通網の拡大、中小企業向け製品ポートフォリオの充実化、技術力強化に伴う付加価値の創造などを挙げた。

 業績面への影響では、売上高が55億ドル強、税引き前利益率が28%、営業利益率が22%に増加する。また同氏は、買収に伴う借入金額が短期的に増加するものの、統合効果による成長で中長期的に買収前の水準に戻せるとの見通しを述べた。

 買収後の事業戦略についてブランコ氏は、SIP技術をベースに拡張性と統合管理環境を追求したコンタクトセンター向けソリューションおよびUCシステムを柱に掲げる。同社では2009年に仮想化環境での運用などに対応する音声IPプラットフォーム「Avaya Aura」を発表しており、これにC1000などのNortelのUC管理基盤や音声・ビデオ処理技術、データネットワーキング技術を統合。データネットワーキング製品事業は従来通り継続する。

UCにおける統合のイメージ

 ブランコ氏は、「2社の技術はサービスとアプリケーションの統合をさらに深化させるだろう。一人ひとりのユーザーに対して、今後もコミュニケーション技術の発展に伴う効率性向上というメリットを提供することを保障したい」と強調した。例えばコンタクトセンター向けには、企業と顧客のやり取りにおいて、音声やビデオ、メールなどのコミュニケーション手段を自由に組み合わせて活用できるようになるという。

日本アバイアの平野氏

 国内での事業展開は、日本アバイアのソリューションマーケティング部長の平野敦氏が説明した。事業統合により、ある市場調査ではコンタクトセンター向けシステムで55%のシェアに達した可能性があるという。平野氏は、「国内ではコンタクトセンター製品のベンダーというイメージが定着した。ノーテルとの統合で、さらにUCも含めた企業コミュニケーション分野への進出が促進されるだろう」と話した。

 コンタクトセンター向けには、Avaya Auraソリューションを50〜150席の中規模設備向けにも展開し、売上構成比率を現在の約20%から40%に高める。また、日本で開発したアプリケーションパッケージ製品やコンサルティングサービスも推進。年10%以上の継続的成長を見込む。企業向け音声IPプラットフォームやUCでもシェア拡大を図る。

 ブランコ氏および平野氏は、旧ノーテルの顧客に対するサポートをこれまで通り継続するし、併せて国内パートナーへの支援も強化すると、既存顧客へ表明している。

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