iPadが出てもKindleは死なず――In-Stat予測

iPadが電子書籍リーダーとタブレットの境界線をあいまいにすることにより、将来的にはKindleを含むすべての電子書籍リーダーが影響を受けることになるとIn-Statは指摘する。

» 2010年01月29日 15時37分 公開
[ITmedia]

 米Appleが1月27日に発表した新タブレット「iPad」は、短期的にはKindleを脅かすことはないだろう――。米調査会社のIn-Statが29日、iPadが電子書籍リーダー市場に及ぼす影響について、こんな予測を発表した。

 iPadはカテゴリーとしてはタブレットPCと位置付けられるが、Apple独自の電子書籍ストア「iBookstore」から書籍を購入できるという電子書籍リーダーとしての側面を併せ持つ。

 だがiPadの登場により、電子書籍リーダーというセグメントが消えると考えるのは早計だとIn-Statは指摘する。米Amazonやソニーによる製品ラインアップの拡張、新規競合の参入、新聞の電子版の発行、国際市場の拡大などにより、電子書籍リーダー市場は今後も拡大していくという。

 「短期的には、iPadがKindleの売り上げを脅かすことはないだろう。最近の電子書籍リーダーにはカレンダーなどPC的機能が搭載されているが、電子書籍リーダーの顧客は書籍の検索から購入、ダウンロードまでのシームレスな操作性に重点を置いており、そうした操作性が高いKindleやソニーの電子書籍リーダーを購入している」とIn-Statのアナリスト、ステファニー・イーシア氏は分析する。「iPadがKindleに及ぼす当面の影響は、iPadがタブレット市場に火を付けることで、電子書籍リーダーとタブレットの境界があいまいになることだろう。これは、Kindleだけでなく、すべての電子書籍リーダーの将来に影響を与えることになる」

 In-Statは、2008年に92万4000台だった世界での電子書籍リーダーの出荷台数は、2010年には2860万台に上ると予測している。

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