業界別の深耕でユーザーのすそ野を拡大、LANDeskが新戦略

LANDesk Softwareは、4月から営業体制を強化し、ユーザーのすそ野を拡大させる戦略に着手するという。4月に日本法人代表へ就任する事業部長の高崎道明氏に方針を聞いた。

» 2010年02月23日 10時05分 公開
[國谷武史,ITmedia]
4月1日付で代表取締役に就任する高崎氏。日本Maxtorやタンブルコミュニケーション、オートデスクで営業部長などの要職を歴任した

 LANDesk Softwareは、4月から営業体制を強化し、ユーザーのすそ野を拡大させる戦略に着手するという。4月1日に日本法人の代表取締役へ就任する予定の高崎道明事業部長に取り組みを聞いた。

 クライアント管理やセキュリティ統制などの製品を主力とする同社では、これまで企業全般と担当する営業体制を敷いていた。4月からはこれに加えて、「製造」「技術開発・リテール」「建築」「金融」の4分野に特化した営業部門を新設する。

 新設部門は、分野ごとに有力顧客企業を抱えるパートナーを共同で製品の販売および導入支援を手掛けていく計画。各分野で同社製品のシェア拡大を狙うとしている。

 こうした戦略の狙いについて高崎氏は、「既にユーザーの多い分野を深耕していくことで、われわれの製品を広く活用してもらえるようにしていきたい。分野ごとに特色のある使われ方がされており、そうしたノウハウをユーザー同士が共有できる仕組みを構築する」と話す。

 例えば建築分野では、施工現場で使用するPCを発注元や協力会社など多数の関係者が共有利用することが多い。また、PCは現場によって長期間使われることがあり、1つの現場が終了すると、すぐに別の現場で使われる。大企業では全国の現場で使われるPCが何万台にもなってしまう。

 PCを所有する企業の担当者が全国に分散している端末に対して、ポリシーを適用させたり、セキュリティパッチを当てたりするといった作業をするのは容易ではない。このため、端末の適切な運用と管理を一元的に行っていく仕組みとして、資産管理ツールやセキュリティ統制ツールが求められている。

 同社では、営業体制の強化と併せて分野ごとにユーザー会も組織する計画。企業や業界ごとにさまざまな運用ノウハウがあり、ユーザー会では各企業が抱える課題を解決するためのノウハウを業界内で共有できるようにしていくという。「われわれは、すべてのユーザーに対して必要な機能をユーザーが選択して一元的にIT資産管理をできる手段を提供しているが、よりきめ細やかな活用をしてもらうには、ユーザー同士で情報を交換できる場が重要になると考えている」(高崎氏)

 また、4月5日にはIT資産のライフサイクル管理を行う「Asset Lifecycle Manager 4.0」をリリースする計画。既存製品と組み合わせることで、IT資産の導入〜廃棄までにかかわる運用の最適化を実現する。

 これらの施策により、同社では国内シェアを2009年比で15%高める計画。各分野のトップ20社を中心にユーザー拡大を狙うとしている。

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