大学生のPCはマルウェアの巣窟?

金銭的余裕がなくウイルス対策ソフトを更新できなかった学生のPCをSophos研究者が調査した。安全な使い方を教える責任は保護者にあるのか?

» 2010年03月16日 08時46分 公開
[ITmedia]

 わずか数カ月の間、ウイルス対策ソフトを更新しなかった学生のPCは、マルウェアの巣窟のような状態だった――。英セキュリティ企業Sophosの研究者が、ある大学生のノートPCを調べたエピソードをブログで紹介している。

 問題のノートPCは、Sophos研究者の娘が友人に相談されて持ち帰ったものだといい、持ち主の学生は金銭的余裕がなかったとみられ、昨年末以来ウイルス対策ソフトを更新していない状態だった。その結果、このノートPCではあらゆる類のマルウェアが実行されていたが、持ち主はそのことに気付いていなかったという。

 だが先週になって悪質な偽ウイルス対策ソフトに感染し、偽の感染警告が出るようになった。それでも学生には「身代金」を払う余裕がなかったのでそのまま放置したところ、幾つかのWebサイトにアクセスできなくなり、ついにはiTunesにもアクセスできなくなるに至って音を上げたという。

 SophosではこのノートPCを調べてマルウェアをすべて削除した。しかし偽ウイルス対策ソフトのように、あからさまな被害が出るマルウェアに感染したのは「運が良かった」と研究者は言い、この学生のように無防備なままインターネットを使い続けている若者はどれくらいいるのだろうと懸念する。やはり保護者が責任を持って、安全なインターネットの使い方を教えるべきなのかもしれないとも述べている。

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