iPad発売を間近に控え、iPhone OS 3.2 SDKの「Golden Master Seed」版がリリースされた。
米Appleは3月29日、4月3日のiPad発売に先駆けて、「iPhone OS 3.2 SDK」の「Golden Master Seed」バージョン(完成版)を公開した。これにより、iPhone Developer Programに登録した開発者は、より完成度の高いツールでiPad向けのモバイルアプリを作れるようになる。
同プログラムのメンバーはおそらく、このようなツールを手に入れるためだけに年間99ドルを払っているのだろう。
iPhone OS 3.2 Golden Master(GM)Seedのリソースはβ版と大きく変わってはいないようで、iPhoneリファレンスライブラリ、サンプルコード、iPadプログラミングガイド、ヒューマンインタフェースガイドラインが含まれている。Engadgetなどのブログは既にこのビルドを解析し、β版から劇的な変化はないかを調べている。
Appleは、iPad発売時にはおよそ15万種のアプリが利用できると主張している。アナリストは、2010年末にはApp StoreでiPad、iPhone、iPod touch向けに30万種ものアプリが提供されるかもしれないとしている。
調査会社Flurryによると、ここ数週間でiPhone OS向けの新規アプリが185%増えているという。「iPad発売が近づいていることによる盛り上がりが、これほどの伸びを生んでいると思う」とFlurryのマーケティング担当副社長ピーター・ファラゴ氏は3月15日、同社の公式ブログで述べている。「これらアプリのうち多くが既存アプリをiPad向けにカスタマイズしたバージョンだ」
iPadには大ヒットする可能性があり、Morgan Stanleyのアナリスト、ケティ・ハバーティ氏は、2010年に同製品が800万〜1000万台売れると見込んでいる。同氏は最近のリサーチノートで、iPadは800ドル以下のノートPC市場をターゲットにするかもしれないと指摘している。これを額面通りに受け取れば、このセグメントの競合企業は少し考え直させられるかもしれない。
「近いうちに、iPadは800ドル以下のコンシューマー向けノートPC市場をターゲットにするだろう。米国では3000万台、世界では1億2000万台が売れている市場だ」と同氏。iPad向けのテレビ番組や電子書籍などのコンテンツが加われば、消費者への訴求力はさらに高まる可能性がある。
iPadの16Gバイトモデルは、Wi-Fi版が499ドルで、Wi-Fi+3G版が629ドル。32GバイトモデルはWi-Fi版が599ドル、Wi-Fi+3G版が729ドル。64GバイトモデルはWi-Fi版が699ドルで、Wi-Fi+3G版が829ドル。
一方、Apple創設者の1人スティーブ・ウォズニアック氏は、iPadは特定の市場セグメントに理想的なデバイスと考えているようだ。
「iPadは学生のコンピュータ購入価格を引き下げるだろう。教育市場で非常に人気が出ると思う」と同氏は3月26日に、Newsweekのダニエル・リヨンズ記者(偽スティーブ・ジョブズとしてブログを書いてもいる)に語った。「大学に上がる学生を思い浮かべてほしい。彼らはApple製品が欲しいが、親はそんなに金を使いたくない。そこで理想的な製品が出てきた。大学に行ったら6000ドルのバカ高いノートPCを持っている生徒がいるかもしれないが、iPadを持っている生徒は皆の注目を浴びるだろう」
ほかにiPadのターゲット層となるのは、シンプルにコンピュータを使いたい人々だとウォズニアック氏は言う。同氏はiPadを3台買うつもりだ。「友人用に1台、自分用に2台注文した。1台はWi-Fi版で、もう1台は3Gつきだ」
同氏のAppleでの経歴を鑑みて、「予約は1人2台まで」というルールが免除されることを願う。
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