いいじゃんネット、iPad対応の企業向けセキュリティ製品を発売

iPadや最新スマートフォンに対応した企業向けモバイルアクセスソリューションの「CACHATTO Ver.4.5」を発売した。

» 2010年07月23日 16時04分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 いいじゃんネットは7月23日、企業向けモバイルアクセスソリューション製品の最新版「CACHATTO Ver.4.5」を発売した。米AppleのiPadやスマートフォン最新機種への対応などを図った。

 CACHATTOは、企業内で運用されているグループウェアや電子メールをPCやスマートフォン、携帯電話から利用するためのソリューション。端末から専用アプリケーション(スマートフォンやiPadの場合)もしくはWebブラウザ(PCおよび携帯電話)で同社が運営するアクセスポイントに接続し、アクセスポイントを経由して、社内の専用サーバにアクセスする。社内の専用サーバはグループウェアや電子メールのシステムと連携してコンテンツを端末ごとに最適化し、アクセスポイント経由で配信する。

CACHATTOにおける通信の仕組み

 端末とアクセスポイント間およびアクセスポイントと専用サーバ間の通信は、盗聴を防ぐために原則として暗号化されている。アクセスポイントと専用サーバの通信では、専用サーバ側からアクセスポイントに接続を要求する仕組みを採用。ファイアウォールにインバウンド方向のポートを開ける必要がなく、専用サーバに対する外部からの不正アクセスを防ぐようにしている。

 CACHATTO Ver.4.5では、iPad専用アプリケーション「CACHATTO SecureBrowser (iPad)」の提供に加え、携帯電話向けに電子メールの添付ファイルデータをAdobe Flashのイメージで配信する機能を搭載した。40項目以上の機能拡張や改善も図った。

 iPadでは、以前からWebブラウザのSafariから固定パスワードによる認証によって、CACHATTOを利用できた。だが専用アプリケーションは、固定パスワードに加えて、端末認証とワンタイムパスワードなどを用いた複数の認証方式を組み合わせて利用でき、固定パスワードのみの場合よりもユーザー認証を強化できる。万が一端末が紛失したり、盗難に遭ったりした場合でも、第三者によるなりすましを防止できるとしている。

CACHATTO SecureBrowser (iPad)でグループウェアを閲覧した様子

 専用アプリケーション内にはデータを保存できず、データのコピーやペーストもポリシー設定で禁止できるため、情報漏えいの危険性が低いという。携帯電話向けのイメージ配信機能も情報漏えい対策を強化するものとなる。一部の携帯電話はWebブラウザにデータを保存できてしまうため、紛失などの場合に情報が漏えいする恐れがあったが、イメージデータは保存できないため、漏えいの危険性が低い。

「iPad対応により企業で使われるモバイル端末の大部分をサポートした」と話す坂本史郎代表

 現在のCACHATTOのユーザー企業数は300社以上だが、同社の坂本史郎代表はiPad対応により、今後1年間で200社以上の新規導入を見込んでいる。同氏によれば、iPadのようなスレート端末は持ち運びが容易であり、長時間駆動や無線通信も可能なことから、営業担当者など社外にいることの多い社員の業務に適したものだという。しかし企業によっては、端末だけのセキュリティ機能では不十分と見る向きもあり、同社のようなセキュリティソリューションとの組み合わせが不可欠になる。

 CACHATTO Ver.4.5の価格は導入初年度が55万100円から(税別、30ユーザーの場合)、次年度以降が26万2200円から(同)。CACHATTO SecureBrowser (iPad)の価格は導入初年度が1ユーザー当たり1800円、次年度以降が600円となっている。1ユーザー当たり最大4種類の端末を利用できる。

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