メディアプレーヤーを装い、インストールすると勝手にSMSを発信するAndroid端末を狙ったトロイの木馬がロシアで発見された。
Android搭載端末に感染し、ユーザーの許可なくショートメッセージ(SMS)を送信する機能を持ったトロイの木馬が検知された。ロシアのセキュリティ企業Kaspersky Labが8月9日(現地時間)、報告した。既に多くの端末が「Trojan-SMS.AndroidOS.FakePlayer.a」と名付けられたこのマルウェアに感染しているという。
このトロイの木馬は、メディアプレーヤーを装ったAndroidアプリで、ファイルサイズが13Kバイト程度という。ユーザーがこのファイルを端末にインストールすると、トロイの木馬がロシア固有のSMS番号にSMSを勝手に送信してしまう。ユーザーの負担で金銭を相手先のアカウントに送金する「プレミアSMS」という仕組みを悪用しており、攻撃者は金銭を不正に取得している可能性がある。携帯端末を標的とするこの手のマルウェアはよくあるが、Androidを狙ったものはこれが初めてだとしている。
米セキュリティ企業Scio Securityの共同創業者ジョン・オーバーハイド氏によると、このトロイの木馬は非常に単純な作りであり、プログラムを改編したり削除する機能はない。また、SMSの送信先はロシアの番号なので、ロシア以外のユーザーが金銭的な被害に遭うことはないとしている。
Kasperskyは「Android端末の普及の急拡大に伴い、今後同端末を狙うマルウェアも急増する可能性がある」とみており、ユーザーにアプリのインストールの際は注意するよう呼び掛けている。
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