ニュース
» 2010年10月06日 16時01分 公開

「在庫20日の壁」を打ち破れ アビームコンサルティングの製造業向けサービス

月次から週次、そして日次へ。在庫の管理ペースを短縮するにはどうすればよいか? アビームコンサルティングが問題の解決策を提案する。

[谷古宇浩司,ITmedia]

 アビームコンサルティング(以下アビーム)が実施した調査「CPG(日用雑貨)メーカーの実態から探る日本型SCMの将来」(2010年2月)によると、(調査対象企業の)SCM部門が管理指標として用いている製品の在庫日数には、「在庫20日の壁」と「在庫26日の壁」というものが存在するという。

 在庫日数15日未満の企業グループを「グループ1」、在庫日数20〜26日未満の企業グループを「グループ2」とすると、「グループ2」が「グループ1」に移行するには、「業務プロセスの変革とともに、在庫削減の制約となる製造装置や取引制度の見直しなど、社内外の改革が必要になる」(安井正樹氏、アビームコンサルティング プロセス&テクノロジー事業部 セクター長 プリンシパル)。アビームが提唱するところの「在庫20日の壁」である。

 「グループ2」の企業群は、在庫管理計画が週次で組まれ、集中型の指揮系統組織であることが多い。しかし、より効率的な在庫調整機能を有する「グループ1」へ移行するには、在庫調整のペースを週次から日次に改変する必要がある。そのためには、組織構造を集中型から自律分散型にシフトさせなければならない。

 在庫管理計画を月次で調整する第3の企業群を「グループ3」とする。この企業群の組織構造は分散型であることが多い。「グループ1」の自律分散型と異なるのは、組織を構成するチームが1つの目的に向かって自律的に動くのではなく、ビジョンが不在のまま(あるいは、あいまいなまま)各チームがバラバラに行動する点にある。このような組織構造を有する「グループ3」から「グループ2」への移行を阻むのが「在庫26日の壁」である。

 「在庫20日の壁」と比較すると、克服の難易度は低そうだが、このレベルの壁を打ち壊すにも、需給管理プロセスのBPR(ビジネプロセスの再調整)や在庫の責任・権限の再配置といった困難な作業を乗り越える必要がある。

 「グループ3」から「グループ2」へ、あるいは「グループ2」から「グループ1」への移行を実現するには、いずれも「立ち上げ期」「導入期」「定着期」という3つの共通ステップを踏まなければならない。需給改革の失敗は往々にして、「立ち上げ期」「導入期」「定着期」の各ステップに潜む障害を乗り越えることができないために生じる。それぞれの障害をアビームは、「初期投資」「業務改善」「定着」としてまとめている。

 「立ち上げ期」の困難は初期投資に関わる。高額なシステム投資額を予算内に納めるのは大変難しいものである。「導入期」の問題は業務の標準化だ。作業が属人的で、業務プロセスの可視化を行うことができなければ、このステップを乗り越えることはできない。「定着期」には、新規に導入したシステムが、業務プロセスの運用ベースにうまく乗らないという問題に直面する。

 アビームは以上のように製造業の需給改革を阻む障害を細かく分析し、問題解決を導くサービスとして、「需給クラウドサービス」を開発、10月6日に提供し始めると発表した。初年度10数社への導入を目指す。初期費用の目安は1000万円から。月額使用料は100万円から。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ