FTC、Webユーザー向け「ネットでの行動追跡拒否」システム提案

消費者が「何を検索したか」「どのサイトを見たか」などの情報を、Web企業に渡すかどうかを決められる「Do Not Track(追跡拒否)」システムをFTCが提案している。

» 2010年12月02日 10時31分 公開
[ITmedia]

 米連邦取引委員会(FTC)は12月1日、インターネットでの消費者のプライバシーを保護する新たな枠組みを提案した。ネット上で行動追跡されたくない人のための「Do Not Track(追跡拒否)」システムなどが含まれる。

 この枠組みは、FTCが1日に公開した予備報告書で提案されている。消費者のプライバシー保護と、ユーザーデータを活用した新たな製品やサービスの開発のバランスを取ることが目的という。

 近年、消費者のWeb閲覧履歴を収集し、それを広告配信に活用する技術が効果的な手法として注目される一方で、そうした技術にはプライバシーの問題が伴うことが指摘されている。FTCは業界に自主規制を求めてきたが、自主規制への取り組みは「あまりに遅く、十分な保護を実現できていない」としている。

 FTCは報告書で、Web企業に製品設計の段階からプライバシーを考慮すること、消費者の選択を簡略化することを推奨。簡略化の方法の1つとして「Do Not Track」システムを提案している。このシステムは、消費者が、自分のネット検索やサイト閲覧の履歴情報をWeb企業が収集してもいいかどうかを決めて、ブラウザに設定できるようにするものだ。

 FTCは、政策提言に加えて、消費者、特に子供のプライバシーを侵害した企業への処分も行うとしている。

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