業務連絡でのリアルタイム性を高める製品群、日本アバイアが提供

日本アバイアは、業務システムとコミュニケーションツールを統合させる「Avaya ACE」を発表した。通話やチャットなどを活用して業務連絡での伝達ロスを解消する。

» 2011年03月04日 17時59分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本アバイアは3月4日、業務システムとコミュニケーションツールの統合を図る製品群「Avaya Agile Communication Environment(Avaya ACE)」の提供を開始した。コンピュータと電話を統合するCTIベースの開発に比べて、開発期間を約2割短縮できるとしている。

 新製品は、業務連絡の手段に通話やインスタントメッセージング、映像などを利用することで、リアルタイム性の高い情報伝達を可能にするという。業務システムとコミュニケーションツールの連携で業務効率を改善する「Communication Enabled Business Process(CEBP)」というコンセプトに基づくもので、旧Nortel Networksで開発した技術をベースに製品化した。

 製品を担当するソリューションマーケティング シニアマネジャーの能地將博氏よれば、業務システムでは業務プロセスに応じた連絡手段にメールが利用される場合が多い。メールでは相手に確実に連絡が伝わったかどうかが分かりにくい。連絡のメールが他のメールにまぎれて相手が見逃してしまう恐れもあり、このロスによって業務に支障をきたすことがある。

 CEBPはこうした課題をリアルタイム性の高いツールで解決しようとするが、業務システムとツールの統合を図る場合に、CITやSIPといった通信の専門知識と業務システムに関する知識が必要とされ、開発が長期におよぶケースが多かった。

 Avaya ACEでは、通信処理に関わる部分をWebサービスのAPIとして提供することで開発の負担を軽減させた。専門知識がなくても、一般的なプログラミング言語で業務システムとコミュニケーションツールを容易に統合できる点が特徴という。また、同社の他にCiscoやIBM、Microsoft、Polycomのコミュニケーション製品でも利用できる。

開発ツールによるメリット

 利用シーンは、業務内容やユーザーの目的に応じて多岐にわたる。例えば先行導入した米国の病院では、100種類以上ある医療キットの確認作業を改善するシステムとして採用した。従来は看護士が手作業で確認を行い、上長が最終確認を行うプロセスだったが、人為ミスが発生するリスクや最終確認を待つ間の時間的な損失を解消することを目的にシステム化した。

 構築したシステムでは、看護士がデータを入力し、その内容をコンピュータで管理する。入力漏れやミスが分かれば、直ちに担当した看護士に自動音声で緊急アラートを通知する仕組みで、Avaya ACEは、管理コンピュータと連携してアラートを通知する役割を果たしているという。

ソフトウェアの構成(左)とサービスの内容

 Avaya ACEは、業務システムとツールを連携するための「Event Response Manager」、コミュニケーション製品へのアドオンツール、開発用ツールなどで構成される。同社では開発者支援サービスと、設計から運用までを支援するプロフェッショナルサービスも提供する。

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