IPAが毎年実施しているインターネット利用者のセキュリティ意識調査から、スマートフォン利用においても不安を抱く傾向が強まっていることが分かった。
情報処理推進機構(IPA)は12月20日、インターネット利用者を対象に実施した「2011年度 情報セキュリティの脅威に対する意識調査」の報告書を公開した。スマートフォン利用に関する不安が前回調査時よりも強まっていることが分かった。
この調査は通算で10回目となるもので、15歳以上のインターネット利用者にWebによるアンケートを10月に実施した。5240件の有効回答が寄せられている。
スマートフォン利用に関する質問では利用率が前回調査の9.3%から今回は18.6%に倍増した。利用時の不安要因では「スマートフォン本体の紛失、盗難」が61.4%と最も多く、以下は「ウイルス感染による不正利用」(55.3%)、「データ盗難・漏えい」(52.3%)、「第三者による不正利用」(40.3%)の順だった。
特にウイルス感染による不正利用は、前回よりも15.8ポイントも上昇した。スマートフォンを標的にするウイルスの存在は79.0%が認識していた。実際にウイルスに感染、もしくは発見したという回答者は3.3%だったが、「分からない」という回答者は14.5%に上っている。
インターネットの接続環境に関する質問では、接続形態について62.9%が「自宅で有線LANを利用」、45.9%が「自宅で無線LANを利用」と答えた。セキュリティ対策について、「通信の暗号化を行っている」は58.5%で、前回調査から0.2ポイントの上昇だった。「暗号化を行っているか分からない」(31.5%)や「暗号化を行っていない」(9.9%)と、セキュリティ対策が十分に行われていない様子も前回調査とほぼ同様だった。
またセキュリティ対策の実施状況について、実施率が7割を超えたのは「セキュリティパッチの更新」「セキュリティソフトの導入・活用」「不要な電子メールの添付ファイルは開かない」「怪しいと思われるWebサイトにアクセスしない」だった。これらを含め、大半の回答項目で前回および前々回調査と傾向に大きな変化がみられておらず、IPAはセキュリティ対策を実施していない層へのアプローチが課題だとしている。
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