vProユーザーの気になる最新のPC管理術、開発中のツールもお披露目

「vPro」の発表2000日を記念したイベントをインテルが開催。vPro活用でヘルプデスク業務を効率化したというユーザーの最新事例や、vProの使い勝手を高めるという開発中のツールが紹介されている。

» 2012年03月01日 08時00分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 インテルは2月29日、クライアントPC管理技術「インテル vPro テクノロジー」をテーマとした企業向けイベントを都内で開催した。vProユーザーの最新動向やvProの使い勝手を高めるために同社が開発を進めるツールがいち早く披露された。

 今回のイベントは、vProの公式発表(2006年9月17日)から2000日が経過したことを祈念して実施された。これまでvProのユーザーは、多数のPCを運用管理している大規模組織が中心。採用理由としては、IT管理者がオンサイトで行うPCのセキュリティパッチ適用などを、遠隔から行えるようにして負担を軽減するといったケースが多かった。

vProを構成する主要機能

 講演に立った取締役副社長の宗像義恵氏は、最近では小規模組織での採用、また、既存ユーザーの利用シーンに広がりがみられると話した。

 例えば、千葉県立津田沼高等学校ではコンピュータ教室にある42台のPCの管理にvProを活用。授業開始までにPCを確実に起動できるようにした。プラットフォーム・ソリューション・マーケティング担当の坂本尊志氏によると、高等学校でのvPro導入は初めてで、「大学での採用事例は多いが、高校などの小規模環境でもPCをリモートで管理したいというニーズが増えている」という。

 また医療分野でも採用が広がり、主にPCの節電を図る目的として導入した特定医療法人社団 高橋病院では電子カルテ用端末の消費電力を最大63%削減させている。

 企業では電源管理に加え、リモートKVMという機能のヘルプデスクでの活用が増えている。この機能は管理対象PCのデスクトップ画面を管理者のコンピュータに転送して遠隔操作でき、管理対象PCがブルースクリーン状態や電源オフの状態でも操作できる。

 このケースでは大日本プラスチックが、ヘルプデスクと資産管理の教務時間を年間で135時間削減した。また盲導犬総合支援センターではオンサイトでのPC管理業務時間を5分の1に短縮。三菱化学はサポート品質などの向上を実現したという。

 インテルはこうしたvPro活用を促進する目的で、「インテル vPro テクノロジー Windows Powershell モジュール」と「Chalk」、「インテル スモール・ビジネス アドバンテージ」というツールの開発を進め、2012年中に提供したい考えだ。

 モジュールはvProの機能をPowershellのコードで実行できるようにする。Powershell用モジュールの扱いが難しいというユーザーは、ChalkでvProを使う手順に従ってボックスで指定すれば、コマンドを使わなくても同様の操作が行える。インテル スモール・ビジネス アドバンテージは、PC単体でvProを利用するためのツール。スケジュールに合わせてWindows Updateやデフラグ、バックアップを実行したり、節電やUSBメモリの利用ルールを設定したりできるという。

Chalkを利用したインテル vPro テクノロジー Windows Powershell モジュールの実行
開発中のインテル スモール・ビジネス アドバンテージのインタフェース

 セキュリティ機能面では「True Cove」というソフトウェアキーボード機能を実装する予定。ワンタイムパスワード入力などの際にキーロガーが情報を盗み取るのを防ぐ。またPKIやNFCへの対応も図ることにしている。

 vProの次期バージョンは、開発中の新プロセッサ「Ivy Bridge(コードネーム)」を採用したUltrabookマシンにも搭載される見込み。グラフィック機能やセキュリティ機能が大幅に強化され、企業のモビリティ化への貢献が期待されるという。

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