シマンテックが中堅・中小企業向けバックアップソフトの最新版をリリース

バックアップ初心者が使いやすいというユーザーインタフェースを新たに取り入れる一方、バックアップに慣れたユーザーが求める新機能も多数実装している。

» 2012年03月14日 17時29分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 シマンテックは3月14日、中堅・中小企業向けバックアップソフトの最新版「Symantec Backup Exec 2012」を発売した。価格は、バックアップ対象サーバが1台の最小構成の場合で15万4200円(税別)となる。

 最新版製品は、バックアップに慣れていない企業向けに3ステップで作業設定ができるというユーザーインタフェースを採用。このインタフェースではバックアップ対象のサーバごとに操作を実行でき、作業の進行状況を一目で把握できるデザインを取り入れた。

 また、バックアップしているシステム環境のデータを異なるハードウェア(従来は同一ハードウェアのみ)や仮想マシンにリカバリできる「Simplified Disaster Recovery」という機能を搭載。VMwareおよびMicrosoft Hyper-Vによる仮想化環境に対応しており、これらの環境で動作する仮想マシンもしくは物理サーバにおいて柔軟にバックアップ/リカバリ作業ができるようになった。

3ステップでバックアップジョブを設定できるインタフェース(左)。バックアップ/リカバリが「ハードウェアから異なるハードウェア/仮想マシン」「仮想マシンから仮想マシン」もできるようになった

 同社ではサーバ上やバックアップシステムなど複数の場所でデータの重複排除を行うようにしているといい、同製品を利用すればバックアップするデータの容量を最大で90%削減できるという。「災害などに備えてバックアップデータを保存したテープなどを離れた場所に運んで保管するケースが多いが、データの容量を少なくすることでネットワーク経由で別のデータセンターに転送できるようになる」(執行役員 マーケティング本部長の石崎健一郎氏)

 米Symantecが世界の中堅・中小企業を対象に実施したバックアップに関する調査によれば、ビジネス上のデータの増大によってバックアップ作業は負担になっている傾向と、災害やシステム障害への準備がバックアップも含めて十分ではない傾向が明らかになったという。

 情報管理グループ プロダクトマネジメント担当 バイス プレジデントのアミット・ワリア氏は、「ユーザーインタフェースを初心者が使いやすいものにし、製品の中味はヘビーユーザーの要望に応える高度な機能を多数取り入れた。誰でも運転できる使い勝手と高性能を両立した“日本車”を参考にしている」と製品のコンセプトを説明している。

 今回からバックアップ対象のサーバ台数を制限しつつ、Microsoft Exchangeなど特定システムに対応するオプション機能を同梱にした「スモールビジネスエディション」も提供する。

製品発表したシマンテックの石崎氏、リコージャパン専務の窪田大介氏、大塚商会専務の片倉一幸氏、シマンテック社長の河村浩明氏、米Symantecのワリア氏(左から)

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