シマンテックがバックアップソフトを刷新、物理と仮想環境のデータ保護を強化

「Symantec NetBackup 7.5」では仮想環境やクラウド環境への対応と、重複排除機能などの強化が図られている。

» 2012年02月24日 16時22分 公開
[ITmedia]

 シマンテックは、データ保護ソフトウェア製品の最新版となる「Symantec NetBackup 7.5」を3月6日に発売すると発表した。企業でのデータの増大や事業継続体制の強化、仮想化環境におけるデータ保護の重要性の高まりといった課題に対応する新機能を数多く搭載する。

 まず、仮想化環境への対応では「アプリケーション Granular Recovery Technology」という機能で、1つのアイテムのリカバリからイメージ全体のリカバリまで行えようになった。この機能は仮想マシンの状態を詳細に把握できるようにする「V-Ray」技術を利用し、VMware vSphere上で稼働するアプリケーションからデータベースに至るまでのさまざまなデータアイテムを識別。物理と仮想の両環境にまたがったデータの重複排除もできるほか、新規に作成したり、移動や複製を行ったりした仮想マシンを自動的に検出してデータを保護する「仮想マシン インテリジェント ポリシー」も提供している。

 バックアップの新機能では「NetBackup Accelerator」を搭載。バックアップ処理時間を100分の1以上に短縮(同社の検証)したという。同機能ではまた差分/増分/フルの各バックアップ作業のポリシーを容易に設定でき、管理者の負担を軽減できるとしている。このほか重複排除後のデータ容量を従来の32テラバイトから64テラバイトに拡張、iSCSIストレージにも対応し、バックアップ先のストレージの利用を広げた。

 このほかに災害復旧時の作業の効率化や人的ミスを軽減するため、バックアップイメージの複製を重複排除しながら自動転送する「Auto Image Replication」機能を、システム全体をバックアップするベアメタルリカバリに対応させた。またバックアップの際に、法的な理由やコンプライアンスとの関連でアーカイブすべきデータと、削除可能なデータを自動的に識別する「NetBackup Search」も搭載している。

 ストレージベンダーやサービス事業者との連携も強化。NetAppとの協業ではストレージで複製された数百のスナップショットをNetBackupの管理コンソールでから一元的に管理する「NetBackup Replication Director」機能を開発した。オンラインストレージサービスとの連携では米Nirvanixに加えて、AT&TやAmazon Web Services、Rackspaceにも対応。バックアップ先のストレージに各社のサービスを選択できるようになった。

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