企業向けモバイルアプリ企業のSyclo、SAPによる買収効果を説明

SAPは6月にモバイルソリューション企業のSycloを買収。Sycloの創業者が来日し、SAPのモバイルソリューションとの統合効果などを説明した。

» 2012年09月11日 16時55分 公開
[國谷武史,ITmedia]
Syclo 創業者兼エグゼクティブバイスプレジデントのジェフ・クレバン氏

 SAPジャパンは9月11日、モバイルソリューション事業に関する説明会を開催した。SAPが6月に買収を完了したSycloの創業者兼エグゼクティブバイスプレジデントのジェフ・クレバン氏が、SAPとの連携効果などを紹介した。

 Sycloは、施設や設備などの保守管理、集金や決済をはじめとする顧客管理、在庫管理といった現場業務向けに、マルチプラットフォーム対応のモバイルソアプリケーションシステムや開発環境を提供している。39カ国約600社の顧客企業を抱え、6月にSAP傘下となった。

 クレバン氏は、これらの同社ソリューションがユーザー企業に10〜20%の生産性の向上、業務効率化、コスト削減などの高い投資対効果をもたらすと説明。SAPによる買収を契機に、ERPやCRMなどの業務アプリケーションとモバイル環境とを一体化したソリューションを提供できるようになると述べた。SycloではIBMなど他社のシステムもサポートしているが、これは今後も継続するという。

 SAPジャパン バイスプレジデント ソリューション営業統括本部長の上野豊氏によれば、国内には70社のSycloのユーザー企業がおり、在庫管理などのアプリケーションを主に利用しているという。今後、同社ではSycloの資産管理アプリケーションなどその他のアプリケーションの活用をユーザー企業に提案していくことにしている。

シャープの北米現地法人では事務器の保守業務に採用している(左)。SycloのアプリケーションはiOS(写真はiPad版)、Android、Windowsなど主要OSをサポート。「デバイスやOSを気にせず利用できるのが特徴」(上野氏)という

 上野氏は、「ユーザー企業が利用するモバイルアプリの2割はパッケージになるが、8割はカスタムアプリになるとみている。今後は開発環境の整備や拡充にも取り組んで、ユーザーを広げたい」と語っている。

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