SAPは6月にモバイルソリューション企業のSycloを買収。Sycloの創業者が来日し、SAPのモバイルソリューションとの統合効果などを説明した。
SAPジャパンは9月11日、モバイルソリューション事業に関する説明会を開催した。SAPが6月に買収を完了したSycloの創業者兼エグゼクティブバイスプレジデントのジェフ・クレバン氏が、SAPとの連携効果などを紹介した。
Sycloは、施設や設備などの保守管理、集金や決済をはじめとする顧客管理、在庫管理といった現場業務向けに、マルチプラットフォーム対応のモバイルソアプリケーションシステムや開発環境を提供している。39カ国約600社の顧客企業を抱え、6月にSAP傘下となった。
クレバン氏は、これらの同社ソリューションがユーザー企業に10〜20%の生産性の向上、業務効率化、コスト削減などの高い投資対効果をもたらすと説明。SAPによる買収を契機に、ERPやCRMなどの業務アプリケーションとモバイル環境とを一体化したソリューションを提供できるようになると述べた。SycloではIBMなど他社のシステムもサポートしているが、これは今後も継続するという。
SAPジャパン バイスプレジデント ソリューション営業統括本部長の上野豊氏によれば、国内には70社のSycloのユーザー企業がおり、在庫管理などのアプリケーションを主に利用しているという。今後、同社ではSycloの資産管理アプリケーションなどその他のアプリケーションの活用をユーザー企業に提案していくことにしている。
上野氏は、「ユーザー企業が利用するモバイルアプリの2割はパッケージになるが、8割はカスタムアプリになるとみている。今後は開発環境の整備や拡充にも取り組んで、ユーザーを広げたい」と語っている。
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