「我々も中国からハッキング攻撃を受けた」とWSJ、被害は明らかにせず

New York Timesが中国からサイバー攻撃を受けたと報道したことを受けて、Wall Street Journalも同様の攻撃を受けたと伝えた。複数の米メディアが狙われたもようだ。

» 2013年02月01日 11時08分 公開
[ITmedia]

 米Wall Street Journal(WSJ)は1月31日、同紙のコンピュータシステムに中国からとみられるハッキング行為があったと報道した。30日にはNew York Timesも中国から攻撃が受けたと報道しており、複数の米メディアを狙った攻撃が発生したもようだ。

 WSJによると、一連の攻撃は中国に関する米メディアの報道を監視する狙いがあったとみられる。同紙を発行するDow Jonesの広報責任者は、声明で「中国からとみられる不正侵入は現在も続いている。当社は外部のセキュリティ専門家と共同で必要なセキュリティ対策を講じた」と発表。情報漏えいなどの被害の発生については明らかにしていないが、攻撃は同紙の北京支局を経由して仕掛けられた可能性があるという。

 New York Timesは30日付の記事で、過去4カ月にわたって同社に対する攻撃が続き、記者などのパスワードが盗まれたと報道。攻撃の発生時期が「10月25日に中国の温家宝首相一族の蓄財疑惑について報じた時期と一致している」と伝えていた。中国の国防相は同紙の取材に対し、「確固たる証明もなしに中国軍がサイバー攻撃を仕掛けたと非難するのはプロにふさわしくない行為であり、事実無根だ」とコメントしている。

 WSJは、GoogleおよびEMCのセキュリティ部門RSA Securityなどのコメントとして、「こうしたケースに関与している人間は中国政府とも通じている」という内容を記事で取り上げている。

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