EU、Microsoftに5億6100万ユーロの制裁金──独禁法対策不履行で

欧州委員会が、Microsoftが2009年に約束した独禁法違反対策を一時期履行していなかったとして、約684億円の制裁金を科すと発表した。

» 2013年03月07日 06時52分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は3月6日(現地時間)、米Microsoftに5億6100万ユーロ(約684億円)の制裁金を科すと発表した。同社が2009年に欧州委員会と合意した、WindowsへのInternet Explorer(IE)バンドル問題の対策を実施していないとしている。

 2009年の合意では、Microsoftは同社がWindowsにIEをバンドルして提供するのは独禁法違反になるという欧州委員会の見解を受け、欧州で販売するWindowsで、インストール時にデフォルトWebブラウザを選択する画面を表示するという対策を提示した。この画面では、IEだけでなくFirefoxやGoogle Chromeなども候補として表示される。Microsoftは2010年3月からこの対策を開始した。

 browser ブラウザ選択画面

 欧州委員会は昨年7月、Microsoftがこの対策を実施していない疑いがあるとして調査を開始。Microsoftが2011年5月〜2012年7月に販売したWindows 7のサービスパック1(SP1)ではブラウザ選択画面が表示されず、1500万人のユーザーに対して約束を履行しなかったことが明らかになったという。

 Microsoftはこの問題は「技術的なエラーによるもの」とし、すべての責任は同社にあるとして謝罪する声明文を発表した。

 欧州委員会はこれまでも、独禁法違反で同社に2004年に4億9700万ユーロ、2006年に2億8050万ユーロ、2012年に8億6000万ユーロの制裁金を科しており、今回を入れて制裁金の合計は21億9850万ユーロに達することになる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ