マカフィー、インテルのハード技術を利用した新型セキュリティ製品をリリース

インテルの企業向けPCのチップでも使われているハードウェア支援型セキュリティを実装した初の個人向け製品「McAfee LiveSafe」を発表した。

» 2013年06月14日 13時39分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 マカフィーは6月14日、インテルのハードウェア技術を活用した初の個人向けセキュリティ新製品「McAfee LiveSafe」を発表した。企業向けPCで導入している技術を利用した盗難・紛失対策や、生体認証による機密情報保護など包括的なセキュリティ機能を提供する。

 新製品は、従来のマルウェア対策やフィッシング対策、Webサイトの安全性評価、パーソナルファイアウォール、モバイルデバイスの盗難・紛失対策などの機能に加え、新たにPCの盗難・紛失対策「マカフィー・アンチセフト」やパスワード管理のクラウドサービス「マカフィー セーフキー」、機密情報ファイルを保護するクラウドサービス「マカフィー パーソナル ロッカー」、Windows 8用アプリの「マカフィー セントラル」などを搭載する。

 このうち、マカフィー・アンチセフトやマカフィー パーソナル ロッカーでは第4世代インテル Coreプロセッサ(開発コード「Haswell」)に実装されている「アンチセフト・テクノロジー」や「インテル アイデンティティー・プロテクション・テクノロジー(IPT)」を活用する。両技術は企業向けPCで提供されている「インテル vPro テクノロジー」で先行導入されたもので、今回のマカフィーの新製品で初めて個人向けにも提供されるようになった。

マカフィー・アンチセフトの画面。企業向けには国内でも数社からサービスが提供されているが、個人向けにはマカフィーが初めて

 マカフィー・アンチセフトは、盗難や紛失に遭ったPCの所在の把握やリモートからのデバイスロック、AES 256ビットのアルゴリズムによる暗号化を利用できる(Core i3以上のプロセッサが対象)。

 マカフィー パーソナル ロッカーは、クラウド上に保存している機密ファイルを保存できるとともに、ファイルを利用するには、PINコード、顔認識、音声認識による3段階の認証が必要となるサービス。これらの認証はMacやiOS、Androidデバイスでも利用でき、第4世代インテル Coreプロセッサ搭載PCであれば、PINコードをIPTに格納して保護できるようになっている。

マカフィー パーソナル ロッカーに格納したファイルは、生体認証を組み合わせた多要素認証によって堅牢に保護されている

 マカフィー セーフキーはマルチデバイスに対応し、パスワードの使い回しを回避することで煩雑になってしまうパスワードの管理を一元化することで容易にするというもの。例えば、PCではWebブラウザのプライグインツールに登録するだけで、次回以降のログインが容易になるという。

マカフィー セーフキーへの登録の様子

 「マカフィー セントラル」ではWindow 8のModern UIを採用しており、各種機能へはタイル状のアイコンからすぐにアクセスできるようになっている。

 記者会見した米McAfee 経営陣バイスチェアマンのトッド・ゲブハート氏は、「2020年には約500億台のインターネット接続デバイスが日常生活の中に浸透していくとみており、ユーザーの大切な情報を保護するためには新たな方法が必要だと考えている。新製品は当社とIntelがこのために開発したものだ」と説明した。

 また、インテル 執行役員 ソフトウェア・サービス戦略本部長の板越正彦氏は、「当社とマカフィーで推進しているハードウェア支援型のセキュリティ製品を、これまで企業向けのエンドポイントやネットワークセキュリティで提供してきたが、ようやく個人向けにも提供できるようになった。“インテルもマカフィーも入ってる”PCでユーザーを守っていきたい」と表明した。

 新製品は、まず同日に発売したデルのUltrabookにプリインストールされて出荷を開始。他社のUltrabookでもプリインストールによる出荷準備を進めている。店頭販売は秋に開始する予定で、販売価格は年間7980円を予定する。

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