IDC Japanは、国内IT市場産業分野別の企業規模別の2012年下半期の分析と、2013〜2017年の市場規模予測を発表した。
IDC Japanは7月4日、国内IT市場産業分野別企業規模別の2012年下半期の分析と、2013〜2017年の市場規模予測を発表した。2013年は、新政権の景気刺激策によって、国内経済拡大への好機とする見方が強まっている。ただし、国内IT市場への波及には時間差があり、横ばいの成長をIDCは予測している。
従業員1000人以上の大企業は、2011年の東日本大震災やその後の電力不足の影響から大きく回復した2012年と比較して、2013年のIT支出額は6兆4371億円(前年比0.5%増)と成長率は小幅にとどまる見込みだ。一方、経営体力が劣る999人以下のSMB(中堅・中小企業)は、新政権による景気刺激策によって回復傾向にあるが、業績の改善が遅れているため、2012年に対し、IT支出額は3兆6660億円と横ばいになると予測されている。
企業の各規模で見ると、2013年の小規模企業(1〜99人)のIT支出額は1兆1168億円(前年比成長率マイナス0.6%)、中小企業(100〜499人)は1兆6324億円(増減ゼロ)、中堅企業(500〜999人)は9168億円(同0.6%増)、大企業(1000人以上)は6兆4371億円(同0.5%増)と予測している。
景気刺激策によって多くの企業で業績が回復し、各企業のIT予算の抑制が解け始めるとみられるが、大企業と中堅・中小企業では、IT支出のマインドは異なるとIDCはみている。アベノミクスは大企業および中堅・中小企業のそれぞれにプラスの面とマイナスの面を与えていることから、同社ITスペンディングシニアマーケットアナリストの福田馨氏は、「ITベンダーは企業規模別など各企業の業績の情勢やIT導入意向を的確に捉える能力が必須となる」と分析している。
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