東工大の「TSUBAME」がバージョンアップへ、性能を約2.4倍に向上

東京工業大学のスパコンシステム「TSUBAME」が今秋までに増強され、論演算性能値が単精度17ペタフロップスに向上する。

» 2013年07月16日 18時25分 公開
[ITmedia]

 NECは7月16日、東京工業大学学術国際情報センターが運用するスーパーコンピュータシステム「TSUBAME」が今秋までに増強されることになったと発表した。現行のTSUBAME2.0からTSUBAME2.5になり、理論演算性能値が単精度17ペタフロップス、倍精度で5.7ペタフロップスと約2.4倍に向上するという。

 TSUBAME2.0はNECと日本HP、エヌビディア・ジャパンが共同開発し、2010年に稼働を始めた。NECによれば、今回の性能増強は、社会貢献アプリケーションをはじめとする産業利用を含めた需要の急激な増加への対応が目的だという。システムの利用率は繁忙期で90%以上になり、99%に達することもあるという。運用予定期間は現時点で2年以上残っているが、計算資源がひっ迫している状況への対応が急務となっている。

 NECでは2015年末に導入を予定する「TSUBAME3.0」にもつながる重要なステップと位置付け、現行システムでは実現できない規模の並列計算や今後の大幅な超大型計算の需要に対応を図り、理化学研究所の「京」システムやほかの大学の情報基盤センターのスーパーコンピュータシステムとも連携して、社会貢献アプリケーションの莫大な計算需要に応えていくとしている。

 増強に際しては省電力化の社会的状況も鑑みて、現行システムと同等かそれ以下の消費電力に抑えるようにする計画。現在のGPUアクセラレータを全部もしくは一部置き換える形で増強装置を導入しつつ、現在のアプリケーションを継続利用できるようにさせるという。

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