日本オラクル、Oracle Database 12cの国内提供を開始

最新版DBはクラウド基盤での運用に対応した「マルチテナント・アーキテクチャ」を採用。運用の簡素化やデータ保護の強化を図る新機能を多数搭載する。

» 2013年07月17日 17時11分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本オラクルは7月17日、データベース製品の最新版となる「Oracle Database 12c」の国内提供を開始した。クラウド基盤での運用に最適化された「マルチテナント・アーキテクチャ」を採用し、運用の簡素化やデータ保護の強化を図っている。

 新たに採用したマルチテナント・アーキテクチャは、物理リソースやバックグラウンドプロセスがデータベースごとに独立した前バージョンまでのアーキテクチャとは異なり、データベース層を「マルチテナント・コンテナ・データベース」で共通化、これに「プラバガブルデータベース」という仮想的に独立したデータベースを組み合わせていく。これによって、クラウド基盤のマルチテナント環境における多数のデータベースの運用を一元化していけるという。

Oracle Database 11gと12cのアーキテクチャの違い

 同日に記者会見した専務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長の三澤智光氏によれば、その効果として1台の物理サーバでこれまで以上に多くのデータベースを稼働させることができるほか、パッチ適用やアップグレード、バックアップ、クローニング、データベースの移動といった操作もワンステップで済むようになる。また、ハードウェア基盤を同社のExadataにした場合、従来はデータベースのバージョンをそろえる必要があったものの、最新版以降では異なるバージョンを混在利用できるようになるとしている。

 新製品では500以上の新機能を実装しているという。記者会見ではこの中で運用管理工数の削減とデータ保護を支援する新機能として、データの利用頻度を監視しながら利用頻度の低いデータを自動的に圧縮・移動させる「Advanced Compression」や、ポリシーに基づいてデータベースがアクセスコントロールを行う「Data Redaction」、遠隔地バックアップをサポートする「Active Data Guard Far Sync」などが紹介された。

Data Redaction機能(左)と「Active Data Guard Far Sync」機能
遠藤隆雄社長

 Oracle Database 12cと連携する関連製品の対応では運用管理の「Enterprise Manager 12.1.0.3」、アプリケーションサーバソフトの「WebLogic Server 12.1.2」、Exadata X3シリーズが既に対応済み。Windows環境でも出荷開始と同時に対応が発表された。同社では8月からオンラインセミナーなどでの技術情報の提供も本格的に行うことにしている。

 会見した代表執行役社長 最高経営責任者の遠藤隆雄氏は、「クラウド基盤を支える理想的な製品であり、特にクラウド環境で複雑になる運用の負荷軽減を最大限にサポートしていける」と強調した。

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