IDC Japanは、国内オープンネットワークストレージ市場の2012年の実績と2017年までの予測を発表した。
IDC Japanは9月5日、国内オープンネットワークストレージ市場の2012年の実績と2017年までの予測を発表した。これによると、2012年の売上額は前年比6.9%増の1324億2600万円となった。同社が定義するオープンネットワークストレーズとは、オープンシステム(UNIX、Windows、Linux、NetWare)向けで、接続環境がSANまたはNASによるストレージシステムの総称。
2012年のオープンネットワークストレージ市場は3年連続のプラス成長だった。外付型ディスクストレージシステム市場ではメインフレーム向けやオープンシステム向けDAS(Direct Attached Storage)の売上額がマイナス成長となっている。この結果、2012年の国内外付型ディスクストレージシステム市場全体におけるオープンネットワークストレージ売上額比率は2008年の58%から、2012年は78%に上昇した。
2012年の同市場の特徴としては、ストレージサプライヤーの成長率やシェアに差が生じたことが挙げられる。主力顧客を中心に大型案件の獲得や更新需要を確実に獲得したサプライヤー、チャネルパートナービジネスの強化によってサーバ仮想化向け案件の獲得や顧客層の裾野拡大に成功したサプライヤーでは、高い売上成長率を達成した。
IDCでは、2012〜2017年におけるオープンネットワークストレージ売上額の年間平均成長率を4.1%、2017年の売上額を1618億2900万円と予測している。ストレージ運用の効率化や高度化を目的としたDASからの需要のシフトに加え、x86サーバ仮想化環境向けやクラウドインフラ構築での利用などが、2013年以降のオープンネットワークストレージ市場の成長をけん引するとみている。
ストレージシステムズ シニアマーケットアナリストの高松亜由智氏は、「ストレージサプライヤーが同市場で成長を達成するためには、x86サーバ仮想化環境やクラウドインフラ構築に対応した特徴ある製品やソリューションのポートフォリオを整備しつつ、それらを市場へ適切に提供していくためのエコシステムの構築が必要になる」とコメントしている。
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