UDAの中核として、データサイエンティスト向けの「実験室」の役割を担うのが、リレーショナルデータベースとMapReduceプログラミングフレームワークを統合したAsterだ。2011年に買収で獲得、昨年にはHadoopを統合した業界初のビッグデータアプライアンス、「Teradata Aster Big Analytics Appliance」もリリースしている。SQL記述と同等のスキルでMapReduceの関数を利用することができる「SQL-MapReduce」は、企業が既存のスキルやBIツールを生かしてビッグデータから洞察を導き出すことを可能とする。MapReduceの関数も、時系列/経路分析、統計解析、テキスト分析など80以上があらかじめ用意されているほか、コミュニティーによって作られた関数も入手できるようにしており、開発に掛かる手間を省くことができるという。
今月上旬には「Teradata Aster Discovery Platform 6」が発表されたばかり。SQLおよびSQL-MapReduceに加え、グラフ分析のための「SQL-GR」エンジンも新たに搭載され、人と人のつながりや購買商品間の関連性を分析し、顧客離反防止やクロスセルを促進する商品の割り出しに役立てることができるという。SQL-MapReduceと同様、SQL-GRも使い慣れたSQLで分析機能を呼び出すことができるのが最大の特徴だ。
新しいAsterでは、SNAPと呼ばれるフレームワークも採用され、分析エンジンやストレージを拡張できるアーキテクチャーに変更された。それに伴い、Hadoop分散ファイルシステム(HDFS)互換のファイルストアも搭載する。
コーラー氏に続いて登場した開発部門のプレジデント、スコット・ナウ氏は、50社を超える顧客企業がUDAの採用に踏み切っていることを明かした。国内企業でも通信販売大手の千趣会が、UDAの柔軟な拡張性を評価し、Teradata Data Warehouse Appliance 2700とTeradata Aster Big Analytics Applianceを導入、ビッグデータ分析のための基盤を構築している。
ナウ氏は「UDAは実装から複雑さを排除し、いち早くデータから価値を引き出し、より良いアクションにつなげることができる。中でもAsterは、惑星探査機ボイジャーのようなもの。ビジネスユーザーがどのような問いをすればデータから価値を引き出せるのか、データサイエンティストはそれを効率良く探し出すことができる」と話す。
なお、同社がPARTERSカンファレンスで発表した主なものは以下のとおり。
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