Apple、iPhone販売台数は過去最高の3400万台だが3期連続の減益

Appleの7〜9月期は、売上高は同四半期としては最高の374億7200万ドルだったが、純利益は9%減の75億1200万ドルだった。【UPDATE】電話会見での情報を追加。

» 2013年10月29日 06時30分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Appleが10月28日(現地時間)に発表した第4四半期(7〜9月)決算は、売上高は前年同期比4%増の374億7200万ドルで、7〜9月期としては過去最高だった。一方、純利益は9%減の75億1200万ドル(1株当たり8.26ドル)で、3期連続の減益となった。アナリスト予測は売上高が368億2000万ドル、1株当たり純利益が7.92ドルだった。

 粗利益率は37%で前年同期の40%を下回った。値下げして販売している旧モデルの売り上げが特に新興国市場で伸びている。

 iPhoneの販売台数は前年同期比26%増の3380万台で、第4四半期の販売台数としては過去最高だった。同社は9月20日にiPhoneの新モデル「iPhone 5s」と「iPhone 5c」を日本を含む多数の国で発売した。iPhoneシリーズの売上高は17%増の195億1000万ドル。iPadの販売台数はほぼ横ばい(0.3%増)の1410万台で、売上高は9%減の61億8600万ドルだった。同社はiPadの新モデルを11月1日に発売する予定だ。

 Macの販売台数は7%減の357万台で売上高は56億2400万ドルだった。

 iPodの販売台数は34%減の350万台で売上高は5億7300万ドル。iTunes StoreやiBookstoreなどでの売り上げは22%増の42億6000万ドルだった。

 地域別売上高では、9月にドコモがiPhone販売に参入した日本が前期比31%増、前年同期比41%増の33億4100万ドルだった。

 通期の売上高は前期比9%増の1709億1000万ドル、純利益は11%減の370億3700万ドルだった。

 10〜12月期の見通しについては、売上高を550億〜580億ドル、粗利益率を36.5〜37.5%と予測した。

 ティム・クックCEOは発表文で、「iPhoneを約3400万台販売するなど、記録的な第4四半期の業績を発表することで力強い今年度を締めくくることができて嬉しい」と語った。

 業績発表後の電話会見の冒頭でクックCEOは、Appleの将来に強い自信を持っており、現行の製品と“新しい”カテゴリーに好機を見出していると語った。だが、新カテゴリーについての質問に対しては、2014年上半期に新カテゴリーの製品が出るとは言っていない、と答えた。Appleは腕時計型のウェアラブル端末、通称「iWatch」を開発中とうわさされている。

 iPhone 5cについて、クックCEOは、うわさでは「廉価版iPhone」とされていたが、そうではなく、Appleにとってのエントリーレベル端末は「iPhone 4s」であり、5cはミドルレンジだと説明した。

 ピーター・オッペンハイマーCFO(最高財務責任者)によると、iPhoneのASP(平均販売価格)は7%減の577ドル。ASPが下がった原因として、エントリー端末が好調だったことと、新興国市場やオーストラリアでの為替変動の影響と説明した。

 新OS「Mavericks」やアプリスイートの「iWorks」と「iLife」を無料にしたことについてクックCEOは、無料のソフトウェアをMacとiOS端末を所有することの目玉にしたかったし、ソフトウェアを完全なユーザー体験の一部にしたかったと語った。

 iPhone 5sの在庫不足については、まだ受注残があるが、増産できる自信があるとクックCEOは語った。

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