トレンドマイクロ、AD連携型のファイル共有ソリューション発表

マルチデバイスからアクセス可能な利便性とデータ保護を両立させるという「Trend Micro SafeSync for Enterprise」を新たに提供する。

» 2013年11月05日 13時29分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 トレンドマイクロは11月5日、企業向けファイル共有ソリューション新製品「Trend Micro SafeSync for Enterprise」を発表した。27日に受注を開始し、今後1年間で80社への導入を目指すとしている。

 Trend Micro SafeSync for Enterpriseは、社内および社内外でのファイル共有を安全に行うため環境を提供するオンプレミス型のソフトウェアソリューション。ファイル共有サーバとしての機能ではデータの暗号化、Active Directoryをベースにしたユーザー管理およびアクセス制御、ポリシーの設定・管理が行える。

 また、Windows PCやMac、iOS、Androidデバイスからもポリシーに基づくファイルへのアクセスと利用ができる。データ本体を企業内で保管・管理し、マルチデバイスから利用できるようにすることで、データの保護と利便性を両立させている点が特徴という。

「Trend Micro SafeSync for Enterprise」の概要

 同社が8月に実施した調査によると、企業の約55%がオンラインストレージの利用に関する規定を設けていないか、設けているかも不明である実態が分かった。従業員の3分の1がオンラインストレージの利用経験があるものの、管理者の半数以上は従業員の利用状況を把握していないことも明らかになった。

 会見した執行役員 ビジネスマーケティング本部長の新井一人氏は、「デバイスの多様化やクラウドの普及で、データをやり取りするシーンが複雑化している。管理を徹底したいとする企業と利便性を求めるユーザーの相反するニーズに応えるソリューションになる」と説明した。

 ファイルを共有したい場合は、「チームフォルダ」を作成し、ファイルをアップロードすると自動的に暗号化して保存され、ファイルは指定したユーザー同士で共有・同期される。ファイルごとにパスワード設定や閲覧期限などを設定できる。各デバイスからは専用のクライアントツールもしくはWebブラウザでファイルにアクセスする仕組み(復号にはクライアントツールが必要)となる。

 管理者向け機能ではActive Directoryとの連携によるユーザー管理やポリシー設定(個人およびグループ)、サーバなどの状況把握、ログ管理などが行える。ポリシーの設定では権限設定などのほかに、ストレージサイズの割り当てやアップロード/ダウンロード時の帯域幅の指定などもできる。

チームフォルダに暗号化して保存されているファイルには鍵のアイコンが付く

 利用初年度の参考標準価格は1ユーザーあたり2960円(1000ユーザー時、税別)で、最小5ユーザーから利用できるとしている。今回の新製品は主に大規模企業での利用を想定しているが、同社では今後、中小企業向けにファイル管理機能を強化したクラウドサービスでの提供も検討しているという。

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