NEC、DBのデータを暗号化したまま処理できる秘匿計算技術を開発

リレーショナルデータベースのデータを暗号化した状態で処理することで、悪意を持った人物によるデータの搾取や悪用のリスクを軽減する。

» 2013年11月06日 18時09分 公開
[ITmedia]

 NECは11月6日、リレーショナルデータベース上のデータを暗号化したまま処理できるという秘匿計算技術を世界で初めて開発したと発表した。2015年度の実用化を目指すとしている。

 同社によると開発した技術は、データベース管理者や管理者権限を奪取した人物によるデータ窃取のリスクに対処するもの。データベース上のデータを暗号化して保護しているケースは多いが、従来の暗号化技術ではデータ処理時に復号化されてしまうため、悪意を持った人間が不正にデータを利用する危険性があったという。

 今回の技術では複雑なデータ処理の際に、対象となるデータを暗号化したままデータベースからアプリケーション側に送り、アプリケーション側で復号してから処理するという方法を採用。これを実現するための暗号方式も複数開発しており、これらを組み合わせることでデータベース側でのデータの復号化の機会を排除し、上述のリスクを大幅に軽減できるようにした。

 同社では既存のアプリケーションと接続するデータベースにこの技術を実装して効果を確認しており、広く普及しているリレーショナルデータベースに適用できることから、幅広い企業・団体での活用が期待されるという。

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