今やGoogle+が技術力アップのための基盤に オールアバウト女子大生の突撃レポ! 貴社のソーシャルメディア活用術(2/2 ページ)

» 2013年11月13日 08時00分 公開
[細野皐月,ITmedia]
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新たな技術を導入検討するための場に

 さて、具体的にソーシャルメディアに投稿された情報や、そこでのコミュニケーションは、どのようにして実際の業務に生かされているのでしょうか。

 Team TechBallでは、毎週定例会を開き、システム部の社員から投稿のあった記事を検証したり、実際に導入できそうな技術について議論したりしています。実際に導入されたものの1つが、コードレビューツール「Review Board」です。従来は上司のみがチェックしていたソースコードを、上司だけではなくシステム部の全員が見ることができるようにし、多くの人からレビューしてもらえるようにしました。直属の上司以外も閲覧できることでクロスチェックの度合いが高まり、品質向上のほか、仕事に対するスタッフの意識やモチベーションも高くなったといいます。

 私は取材する前、あくまで情報共有の場としてソーシャルメディアを活用しているのだと想像していました。しかしながら、単なる共有にとどまることなく、そこで共有した技術を具体的に実践するという、次なるステップのためにソーシャルメディアが活用されているというのは驚きであり、とても先進的だと感じました。

 ところで、Twitter、Facebookなどさまざまなソーシャルメディアがある中で、オールアバウトのシステム部はなぜGoogle+を選んだのでしょうか。1つは、先述したように社員用のGoogleアカウントが既にあったことです。プライベートで利用するイメージが強いソーシャルメディアですが、社員用のアカウントを利用することで、記事の投稿や閲覧は業務中に行うことができます。プライベートな時間を犠牲にせず、ビジネスとプライベートのすみ分けができることも、Google+の使いやすさにつながっているようです。

 もう1点は、ほかのソーシャルメディアと異なり、検索機能が充実している点だといいます。過去に投稿された記事を再び閲覧する際にもキーワードを入力して瞬時に検索することができ、効率が良いそうです。

 さらにシステム部では、Google+以外のソーシャルメディアも導入しています。それは、LINEです。上司とのやり取りなどはメールで行われているというイメージでしたが、システム部内での緊急性を要するやり取りは、上司、部下、同僚関係なく、メールよりもLINEを使うことが多いそうです。理由としては、24時間365日、決して止まることのないシステムに関する連絡は、対応の速さが最優先で求められるため、メールよりもスピーディーなコミュニケーションが必要だからということでした。緊急性を伴うことも多いシステム運用管理の現場特有のソーシャルメディア活用といえるでしょう。


 今回の取材を通して、私たちが日常の中で何気なく目にしているオールアバウトのコンテンツを支えているのは、システム部の人たちの高いモチベーションとチャレンジ精神なのだと感じました。日々進歩する技術に広いアンテナを張り、ソーシャルメディアを駆使して積極的にスキルアップのためのコミュニケーションを図っていく。オールアバウトのシステム面での仕掛けや工夫など、今後の取り組みにますます期待が高まりました。

「システム部のソーシャル活用が成功例となって全社に広がれば!」とお二人は力を込めます 「システム部のソーシャル活用が成功例となって全社に広がれば!」とお二人は力を込めます

著者プロフィール

細野皐月(ほその さつき)

1991年5月14日生まれ、神奈川県横浜市出身。フェリス女学院高等学校卒業、

上智大学外国語学部フランス語学科在学中。準ミスソフィア2012。現在は、大学でフランス語を勉強しながら、リポーターや撮影モデルなどの活動をしています。


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