東急リバブルとアサヒビールの事例に学ぶ スマートデバイスで営業改革を!ITmedia エンタープライズ ソリューションセミナー レポート(1/3 ページ)

このたびITmedia エンタープライズ編集部は「スマートデバイス活用セミナー」を開催。具体的な企業事例や最新ソリューションが紹介された。

» 2014年01月15日 11時30分 公開
[ITmediaエンタープライズ編集部,ITmedia]

1000台を超えるiPhoneとiPadを導入

 2013年12月10日、ITmedia エンタープライズ編集部は、企業のIT部門や業務部門に向けたセミナーイベント「第11回 ITmedia エンタープライズ ソリューションセミナー ビジネスの活力を高める次の一手 ROIにつなげるスマートデバイス大活用セミナー」を開催した。

 オープニングとなる事例講演では、東急リバブルで経営管理本部 IT推進部長を務める島村誠一氏が、同社の営業力強化を目的にしたスマートデバイス活用について紹介した。「スマートデバイスを業務に取り入れたことによってスピーディーな顧客対応を実現した」と島村氏は強調した。

東急リバブル 経営管理本部 IT推進部長の島村誠一氏 東急リバブル 経営管理本部 IT推進部長の島村誠一氏

 東急リバブルがスマートデバイスの導入を検討したのは2009年と、同業他社と比べても早期だった。早期活用を優先したとき、解決課題が少なく手に入れられるデバイスは限られていたため、最終的にセキュリティ面を重視して選択したデバイスが、アップルのiPhoneおよびiPadだった。

 2010年10月、売買仲介部門でiPad6台をテスト導入したのを皮切りに、翌年11月には95台のiPhoneを売買仲介のマネジャー職に配布、2012年5月には追加で40台を導入した。また、売買仲介の現場担当者に対しては2012年9月にiPhone800台を提供した。現在までに、約1650台のiPhoneと約1100台のiPadが営業部門を中心に活用されている。導入時の考え方について、島村氏は「早期展開、早期定着を視野に“狭く濃く”を心掛けるとともに、展開のリーダーになってもらうべく管理職からの導入を始めた」と振り返る。

 同社がスマートデバイスを導入した背景には、「営業力強化」という明確な目的があった。特にスピーディーな顧客対応、タイムリーな情報提供、若年営業マンの強化という3点が課題になっていた。従来までは、日中に顧客からメールやWebサイトで問い合わせがあっても、営業担当者は夕方に会社に戻ってから対応していたため、少なからず機会損失が生じていた。スマートデバイスを活用することで、外出先からも社内メールをチェックすることができ、迅速な顧客とのコミュニケーションが可能になった。

 また、商品カタログをはじめ紙ベースの資料を大量に持ち歩いていた以前とは異なり、iPadに各種パンフレットや動画、Webを組み合わせた最新の資料を格納することで、営業担当者の業務効率化がなされたほか、説得力のあるプレゼンテーションができるようになった。こうしたツールをうまく使いこなすことで、若手営業社員は自身のスキル向上にも役立っているという。

 今後取り組むべき新たな課題として、島村氏は、独自営業支援アプリの開発と、営業担当者のITリテラシーの底上げを挙げる。加えて、首都圏以外のエリアも含めて、売買仲介部門の全営業担当へのiPad提供や、基幹システムと連携する写真アプリの実現も図っていきたい考えだ。

タブレットとシンクライアントに引き合い

 続いてのセッションでは、レノボ・ジャパンでエンタープライズマーケティング本部 マネジャーを務める垂見智真氏が「PC+デバイスの効果的な利活用によるワークスタイル革新とROIの両立」と題した講演を行った。

レノボ・ジャパン エンタープライズマーケティング本部 マネジャーの垂見智真氏 レノボ・ジャパン エンタープライズマーケティング本部 マネジャーの垂見智真氏

 PCからポストPCへとユーザーのニーズが移り変わる中、PCメーカー自身も変わっていかねばならない。そうした中、「レノボはすべてのエンドユーザーコンピューティングをカバーしている」と垂見氏は強調する。同社は、主力のノートPC「THINK PAD」のほか、デスクトップ、ウルトラブック、タブレットと、さまざまなデバイス製品をラインアップする。

 現在、PC市場全体の売り上げは減少傾向にあるものの、法人向けPCに関してはそれほど減っていないと垂見氏。また、法人にもタブレットの波が押し寄せており、顧客などを回ると、タブレットとシンクライアントを組み合わせたソリューションに対するニーズが高まっているという。「新しいデバイスでワークスタイルを変革したいという企業が増えている」と垂見氏は話す。

 実際、レノボとリクルートが企業に対して行った調査によると、ワークスタイル変革にタブレットを求める回答が多く、全体の73%が3年以内に導入を検討するとしている。

 一方で、導入する上での具体的な要件として、セキュリティのほか、モビリティ、モバイル運用管理(MDM)、災害対策/事業継続などを挙げている。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ