統合セキュリティと中小企業向けを強みに、ソフォスが“攻め”の戦略展開

ソフォスが事業戦略を発表。3月に新社長に就任した纐纈昌嗣氏は年30%成長を掲げ、販路の大規模拡大に着手すると表明した。

» 2014年04月03日 13時42分 公開
[ITmedia]
新社長に就任した纐纈昌嗣氏

 法人向けセキュリティを手掛けるソフォスは4月3日、新事業年度の戦略を発表した。3月1日付で新社長に就任した纐纈昌嗣氏は、着任初年度に30%成長を達成すると宣言。販売網の拡大に着手する。

 同社はWindowsやLinux、UNIXなどサーバ向けのウイルス対策製品を強みとしてきたことから、官公庁や大企業顧客を多数抱える。近年は暗号化を含むエンドポイントセキュリティにも注力するほか、UTMベンダーの独Astaroの買収を通じて、ネットワークセキュリティにも参入している。

 纐纈氏によれば、従来の営業体制では大規模顧客への直販が主体だったものの、新年度より中堅・中小企業の顧客拡大を図るべく、パートナーエコシステムを拡大させるという。システム構築を中心とするソリューションパートナーを現在の6社から12社に、販売パートナーも50社にまで増やす。また、ネットワークセキュリティ事業部を新設し、販売パートナーの20社獲得と50%の売上増を目指すとした。

同社のセキュリティソリューションはIT環境の多くをカバーしているという

 特に中堅・中小企業向けにはUTMとセキュリティサービス「Sophos Cloud」の2つの商材が軸になるという。UTMは旧Astaro時代にOEMで国内1万社への導入実績があるといい、この実績をもとに「オールインワンセキュリティ」と導入・運用管理の容易性を訴求する。Sophos Cloudは、特にエンドポイントで最新の脅威対策を容易に運用していける点に強いみがあるとしている。

 大手顧客に対してはサーバ対策を含む統合的なセキュリティソリューションの展開で、運用管理の負荷を軽減できるメリットを呼び掛けていく方針だ。

 纐纈氏は、直近までレッドハッドでパートナー営業とマーケティングの責任者を務め、ソフォスでもこの経験を発揮したいと表明。パートナー施策では5月までに新たなプログラムを導入するという。同社としては30%成長の目標だが、「個人的には3年後に現在の人員(約50人)で40億円の売上を実現したい」(纐纈氏)と述べた。

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