投資性資金の5割を海外向けに投資する。7月に設立したシンガポール現地法人に平野社長兼CEOが赴任することとなった。
インフォテリアは7月14日、都内で事業戦略説明会を開き、2020年に海外売上高比率を50%超とするなどの事業方針などを説明した。7月には新たにシンガポールで現地法人「Infoteria Pte」を設立し、平野洋一郎社長兼CEOが現地で指揮を執ることになった。
同社は2月に、ライツオファリングで約8億円の資金を調達。17億円の手持ち資金と合わせた中から11億円を海外投資に充てる計画。2013年度末の海外売上高比率は3%だが、2020年に50%超に高める。新たに元リコー欧州法人やアジア地域法人のトップを務めた齋藤周三氏と、Fenox Venture CapitalのCEO、アニス・ウザーマン氏を社外取締役に迎えた。
海外拠点はシンガポールを含め5カ所に拡大した。シンガポール進出について平野氏は、「飛行機で7時間以内のエリアに31億人が居住しており、成長著しいアジア市場の中核都市。人件費やオフィス賃料の高さなどの課題もあるが、市場の有望性から投資に見合うと判断した」と述べた。
海外での事業展開は現地企業などとの提携を通じたエコシステム拡大でシェア獲得を目指す。「過去の進出失敗で学んだ経験から、各分野に強い企業とのパートナーシップによって成功につなげたい」という。
既存事業では主力製品のデータ連携ソフト「ASTERIA WARP」とモバイルコンテンツ管理サービス「Handbook」が引き続き好調といい、2013年度末の導入法人数はASTERIAで4360件、Handbookで650件に達した。
特にモバイルコンテンツ管理市場ではタブレット端末の法人導入が加速していることを背景に、平野氏は「キャズムを超えた」と強調。従来はオフィスワーカーや営業ツールとしての導入が多いHandbookだが、今後は製造現場などこれまでPCが利用されてこなかった業務現場での情報ツールとして採用拡大を見込んでいる。
平野氏は、「今後の法人市場ではPC、HTMLアプリケーション、Javaが衰退していく。ビジネスはデータが中心になっていく。これからも業務のフロントを担うHandbook、フロントとバックエンドをつなぐASTERIAの『ミドル&フロント』戦略を推進していく」と語った。
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