Windows 10を企業で利用するメリットとして注目されるのは、クラウド上のActive Directory(AD)にクライアントデバイスがサインインできるようになった点だ。この機能により、社内にADを設置しなくてもAzureなどのクラウド上のADを利用して、サインインが可能になった。
今までクラウド上のADサーバは、Office 365などを利用する時だけだったが、社内のADサーバをレプリケートしたものだった。このため社内のデスクトップPCなどからサインインするには、必ず社内にADサーバを構築しておく必要があった。
Windows 10ではクラウド上のADを積極的に利用できるようになったことで、社内にあるデスクトップPCやノートPCだけでなく、外出先のノートPC、タブレット、スマートフォンなどからでもクラウド上のADを使って認証が可能になる。社内のADサーバをDMZに設置したり、VPNなどを介して社内LANにアクセスしたりしなくてもよくなる。
また、Windows 10ではアプリケーションの配布システムがより簡単になった。Windows 8/8.1でも企業独自のアプリケーション配布ストアを構築できたが、System Centerとの連携や構築が必要で面倒だった。Windows 10で企業は自社開発のアプリケーションを自社ストアから簡単に配布できる。既に多くの企業が、デスクトップアプリケーション(Win32アプリケーション)やWebサービスとして配布しているが、今後はアプリケーションがより積極的に利用されるだろう。
このほかにも新しいVisual Studio 2015を利用すれば、Windowsのユニバーサル アプリだけでなく、AndroidやiOSのアプリも作成できる。複数デバイス向けのアプリケーションを現在よりも楽に開発できるようになっていくはずだ。
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