freeeが目指すクラウド完結型社会――2015年の「3つの変化」とは?マイナンバーにも対応(1/2 ページ)

クラウド会計ソフトやクラウド給与計算ソフトを展開するfreeeが2015年度の事業戦略を発表した。同社の狙いはバックオフィスに残るデータを完全にクラウド上に持っていくことだ。

» 2015年04月21日 19時22分 公開
[宮田健ITmedia]
佐々木大輔氏 freee代表取締役の佐々木大輔氏

 「クラウド完結型社会」――freeeの新たな構想を佐々木大輔氏はこう表現した。バックオフィス業務に残された領収書や従業員情報などをクラウドに完全移行し、すべてを自動化するという同社の方針をさらに進める。

2015年度にやってくる「3つの変化」

 佐々木氏は、2015年を「大きく電子化が進む年」と位置付ける。その鍵となるのは3つの変化だ。

 1つ目は「e-Gov(イーガブ)のAPI公開」。電子政府の総合窓口となるe-Govは2015年春からAPIを公開する予定だ。電子申告がさらに簡単になり、freeeのような外部サービスから直接電子申請が可能になる。

e-Gov e-Gov(電子政府)のAPI公開により、外部サービス経由でさまざまな手続きが電子申告できる

 2つ目は「電子帳簿保存法の改正」。これまでスキャナーで保存できる領収書は3万円以内かつタイムスタンプと電子署名の付与が必須だった。税制改革により規制が緩和された。2015年10月から金額制限がなくなり、電子署名も不要となる。ただし、タイムスタンプの付与は引き続き必須だ。

電子帳簿保存法 電子帳簿保存法の改正により、領収書のデジタル保存要件が緩和される

 3つ目は「マイナンバー制度」だ。従業員や取引先の個人に振られる番号は特定個人情報としてしっかりと管理しなければならず、その利用目的も社会保険や税金の処理に限定される。一方で法人に振られる番号は公表され利用目的も制限されない。法人番号にひもづけられた取引先企業の名称や所在地といった情報をダウンロードしたりAPI経由で取得したりして利用できる。

マイナンバー マイナンバーの管理や利用といった取り扱いは個人番号と法人番号とで異なる
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ