――イベントではIoTに関する戦略も発表していました。2014年末に買収した、IoT向けプラットフォーム技術「OctoBlu」は戦略の要かと思いますが、その特徴と役割は何でしょうか。
ラムレス: OctoBluを創業する際に「人、モノ、アプリケーション、クラウドを統合する」という方針を立てました。Octoblueは統合プラットフォームであり、次の4つの特徴を備えています。1つ目はあらゆるデバイス、アプリと接続できるという「ユビキタス性」。2つ目は統合の容易さによる開発時間の短縮、3つ目は高い性能、4つ目は何が起こっているのかを把握できる分析機能です。
アプリケーションとクラウドは“古い世界”と“新しい世界”と言えます。この両者の統合に標準はありません。IoTが意味を成すためには、過去、現在、将来の各データを結びつける必要があります。これをさまざまな方法で実現していくのが、OctoBluの役割と言えるでしょう。
――OctoBluとCitrixの製品とを、どのように統合していくのでしょう?
ラムレス: 統合には3つのアプローチがあります。まずは、単純にCitrix製品に組み込む方法です。例えば、NetScaler(アプリケーションやクラウドサービスの配信を最適化する統合プラットフォーム)にOctoBluを組み込むことで、NetScaler内にある、さまざまな情報を活用できるようになります。
2つ目はOctoBluの技術をCitrix製品に統合するアプローチです。イベントでは、会議でOctoBluを使うデモとして、タブレットをスワイプするとXenDesktop環境が会議室にあるディスプレイへと移行する様子をお見せしました。Citrix製品との組み合わせで、相乗効果が出る好例です。
最後に、OctoBluを独立したプラットフォームとして運用するモデルが考えられます。小型デバイス上でOctoBluを動かし、独立した統合ノードとするといったものです。ほかのパブリッククラウドやプライベートクラウドと連携することも考えられるでしょう。
――ちなみに、クラウド分野ではオープンソース団体に寄贈した「Apache CloudStack」のほか、先日CloudStack対抗と位置付けられるOpenStackに出資を発表しましたね。この動きにはどういった意図があるのでしょうか。
ラムレス: “OpenStackか、CloudStackか”という話ではなく、顧客が望んでいるものを統合するということです。OpenStackはオープンソースで無料で公開されています。今回の発表でOpenStackに参加した形ではありますが、これまでもOpenStackを取り扱ってきましたし、OpenStackの利用が進み、標準的な技術になるのかを見極めてきたという経緯があります。
もちろん、CloudStack(Citrix CloudPlatform)も継続します。Citrixはオープンな企業です。もし、今後CloudStackやOpenStackに代わる新しいクラウド基盤技術が登場し、顧客のニーズがあるならば、もちろんそれをサポートするように動きますよ。
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