マイナンバー2015

マイナンバー廃棄は「ごみ箱」で大丈夫? AOSが完全消去ツール公開

必要のなくなったマイナンバーは確実な廃棄が義務付けられている。AOSが電子媒体に記録しているマイナンバーのデータを消去するツールを発売した。

» 2015年10月02日 18時08分 公開
[ITmedia]

 AOS リーガルテックは10月2日、電子媒体に記録された機密データを消去する「電子データシュレッダー」を発売した。マイナンバー制度で義務付けられているマイナンバーの廃棄措置に対応する。

 新製品は、ユーザーが指定したファイルやフォルダ、ドライブの機密データを復元が不可能な状態に消去する。実行された消去処理は履歴としてレポートされ、監査に利用できる。任意での消去やスケジュール機能による自動消去も行える。

マイナンバーを廃棄(消去)してレポートを証跡にも利用できるという

 2016年1月に始まるマイナンバー制度では企業や組織に、従業員と家族のマイナンバーの収集・確認・保管・廃棄の確実な実施が義務付けられている。マイナンバーの廃棄は、従業員の退職時などの際に必要となり、ガイドラインでは専用のデータ削除ソフトの利用や物理的な破壊によってマイナンバーを廃棄することが規定されている。

「ごみ箱を空にする」だけではアウト

 一般的なPCでのデータ消去は、ファイルやフォルダを「ごみ箱」に入れて「空にする」操作をすれば完了すると思われがちだが、実際にはファイルやフォルダを管理している領域のインデックスなどが削除されるだけで、データの本体は削除されず、残ったままになる。

データ消去の仕組みはITに詳しい人には“常識”でも、マイナンバー業務を担当する人がITに詳しいわけではないケースもあり、確実な廃棄には専用ツールが必要だという

 会見した佐々木隆仁社長は、「データはその本体が保存される領域や、メモリからドライブに展開される領域(メモリ容量を超える処理が発生すると自動的にHDDなどにもデータが展開され、処理が終わった後もHDDなどにデータが残る)などに存在するので、こうした領域を含めて完全に消去しないといけない」と解説する。

 消去方法は、対象データを「0」データで1回上書きする「レベル1」から、理論上復元が不可能とされる「グートマン論文」方式に「0」データで36回上書きする「レベル7」までの7種類あり、マイナンバーデータの廃棄には米国政府基準の「レベル4」以上の方法で消去することが望ましいという。

 同社はデータ復旧ソリューションなどを手掛けるAOSグループの企業。データ消去ツールはフリーソフトなど多数存在するが、「データの削除は復旧と表裏一体で専門的なノウハウが必要。マイナンバーの確実な廃棄を可能にしている」(佐々木氏)と話す。

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