筆者の自宅のIT基盤は、前回までの連載第17回、18回、19回でご紹介した植物の自動録画アプリ以外にも、仕事用のアプリケーションをDocker環境に移行させています。自宅のIT基盤のポリシーは、「できるだけDockerコンテナ化する」ですので、ゲームもDocker環境で稼働させなければなりません。連載第17回のときと同様に、Dockerコンテナ化のゴール、コンテナ化のメリット、方法、環境を定義します。
ゴール
「ゲームアプリをDockerコンテナで稼働させる。キーボード、またはゲーム用コントローラーを使って遊ぶことができ、ゲーム音も再生する。ゲームの途中結果を記録したセーブデータを保管でき、再度セーブデータを読み込んで続きから遊ぶことができる」
Dockerコンテナ化のメリット
方法
ハードウェア
(※)HPE ProLiantサーバに接続した場合のメーカーの動作保証は得られないため、利用者の自己責任で使用する必要があります。
基盤ソフトウェア
ゲームアプリ
昔は、PCやサーバ上で複数のゲームアプリを直接稼働させようとすると、アプリが利用する周辺機器によっては、ホストOSの設定ファイルなどをゲームごとに変更、調整する必要がありました。しかし、ホストOSの設定を変更すると、ゲームアプリによっては、設定ファイルの内容に競合が発生することもあり、複数のゲームを入れ替えて使う場合、管理が煩雑になることも少なくありませんでした。
そこで、前項の「Dockerコンテナ化のメリット」に記載したとおり、複数のゲームアプリが混在する場合でも、ゲームアプリとOS環境をDockerコンテナ化しておけば、ゲームアプリごとにホストOSの設定ファイルを直接変更する煩雑な作業も大幅に削減できます。また、異なるLinux OS(Fedora、Ubuntu、SUSE、Debianなど)で稼働するゲームアプリを混在させることができるので、使い慣れたホストOSを使いつつ、利用できるゲームアプリの数を飛躍的に増やすことができるのもDockerコンテナ化の大きなメリットと言えるでしょう。
次回はDockerコンテナで3Dゲームを稼働させるために必要なポイントや構築方法などについて解説していきます。
日本ヒューレット・パッカード株式会社 オープンソース・Linuxテクノロジーエバンジェリスト。兵庫県伊丹市出身。1996年頃からオープンソースに携わる。2000年よりUNIXサーバーのSE及びスーパーコンピューターの並列計算プログラミング講師、SIを経験。2006年、米国HPからLinux技術の伝道師として「OpenSource and Linux Ambassador Hall of Fame」を2年連続受賞。プリセールスMVPを4度受賞。現在は日本HPにて、Linux、FreeBSD、Hadoopなどのサーバー基盤のプリセールスSE、文書執筆を担当。Red Hat Certified Virtualization Administrator, Novell Certified Linux Professional, Red Hat Certified System Administrator in Red Hat OpenStack, Cloudera Certified Administrator for Apache Hadoopなどの技術者認定資格を保有。著書に「CentOS 7実践ガイド」「Ubuntu Server実践入門」などがある。趣味はレーシングカートとビリヤード。
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