Microsoft、AI bot開発フレームワークをアップデート カードやグループチャットをサポート

Microsoftは、3月にプレビュー公開した「Microsoft Bot Framework」をアップデートし、カルーセルカード機能やグループチャットのサポート、自然言語理解機能などを追加した。また、「Skype Bots Platform」を統合した。

» 2016年07月11日 07時52分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 Microsoftは7月7日(現地時間)、アプリで稼働する人工知能(AI)botを開発するための「Microsoft Bot Framework」のアップデートを発表した。

 Microsoft Bot Frameworkは、同社が3月の開発者会議「Build 2016」で発表し、プレビュー版を無償で提供してきたbot作成フレームワーク。3月の時点で、Skype、LINE、Slackなどで稼働するチャットbotを開発できるようになっていた。その後、米FacebookのFacebook Messengerにも対応した。

 bot 0

 Bot Frameworkの主な新機能は以下の通り。

  • SkypeとFacebook Messengerでのカードおよびカルーセルカードのサポート
  • 「Skype Bots Platform」の統合
  • グループチャットのサポート
  • Bot Builder SDKへの新たなダイアログタイプの追加
  • Cognitive Services LUIS Intent Dialogタイプの追加
  • Skype通話機能のサポート
  • Bot Framework Emulatorの拡張
  • Slackが6月に追加したボタンのサポート
  • Facebookが最近追加した新機能のサポート

 Skypeは8日、別の公式ブログで、Bot FrameworkのアップデートでSkype botに関連するものについてさらに説明した。

 Skype Bots PlatformがBot Frameworkに統合されたことにより、Skype botをBot Frameworkで開発し、そのままBot Directoryに登録できるようになった。

カードおよびカルーセルカード

 例えばホテルチェーンのチャットbotは、対話相手の顧客にホテルの部屋の画像と「予約」「詳細を見る」などのボタンのついたカードを提示できる。複数の部屋のカードをカルーセル状に並べ、横スワイプで閲覧できるようにすることも可能だ。また、予約の完了を示す領収カードも表示できる。

 bot 1 左から、カルーセルカード、紹介カード、領収カード

グループチャットのサポート

 botがグループチャットに参加できるようになった。例えば、見に行く映画や頼みたいピザをグループで決めるときに便利そうだ。

自然言語理解

 Bing EntityおよびBing Intentの現行プレビューを利用することで、自然言語を理解できるようになった。

サードパーティー認証

 サードパーティーのサービスへのサインイン用カードを表示できる。例えばホテルチェーンのbotが提示するカードに一度サインインすれば、次回からはサインインせずにbotでホテルの予約などができるようになる。

 bot 2 左から、グループチャット内のbot、認証カード

 このアップデートにより、既にbotを登録している開発者はbotをアップデートし、改定された利用規約に改めて同意する必要がある。

 Skypeチームによると、3月のプラットフォーム公開後、bot開発に参加した開発者は3万人以上になるという。

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