“もの売りからサービス提供への転換”がIoTの本質、でも、どうやって?Weekly Memo(1/2 ページ)

IoTの活用によって企業のビジネスはどのように変わるのか。それを踏まえて企業はIoTにどう取り組み始めればよいのか。この疑問についてPwCの話を聞く機会があったので、それを基に考察してみたい。

» 2016年09月20日 13時00分 公開
[松岡功ITmedia]

2020年のIoT市場規模は1兆7000億ドルに

 最近ではさまざまな産業分野で多様な適用事例も見受けられるようになってきたIoT(Internet of Things)。ただ、多くの企業にとってその取り組みはまさしくこれからだ。

 IoTの活用によって企業のビジネスはどのように変わるのか。それを踏まえて企業はIoTにどう取り組み始めればよいのか――。多くの企業が抱いているこうした疑問に対し、PwCジャパングループがIoTの最新トレンドをテーマに開催した記者説明会で見解を示した。

 その内容が非常に興味深かったので、ここで取り上げながら、企業へのIoTのインパクトについて考察してみたい。

 会見で説明に立ったのは、PwC米国パートナーでIoT・エマージングテクノロジーリーダーのシャヒード・アフメド氏と、PwCコンサルティング ストラテジーコンサルティングパートナーでPwCジャパン テクノロジー・メディア・通信産業リーダーの尾崎正弘氏である。

Photo PwC米国パートナーでIoT・エマージングテクノロジーリーダーのシャヒード・アフメド氏

 アフメド氏はまず、IoTをけん引している6つの要件について説明した。6つの要件とは、「CPU、メモリ、ストレージコストの低下」「ITとオペレーションテクノロジー(OT)のコンバージェンス」「ビッグデータとクラウドの登場」「加速するデバイスの普及」「ネットワークコストの低下」「ベンチャーキャピタル(VC)への資金や投資の増加」である。

 次に同氏が示したのは、技術要素別に見た2020年における世界のIoT市場規模の予想である。図1がそのグラフで、2020年のIoT市場規模は1兆7000億ドルと見立てている。

 さらに、技術要素としては「ソフトウェア」「ハードウェア」「コネクティビティ」「サービス」の4つに分かれており、それぞれの割合も示されている。同氏は「今後のIoT活用の課題の1つとして、これら4つの分野を誰かがまとめていかなければいけないことが挙げられる」と指摘した。

Photo 図1 技術要素別に見た2020年における世界のIoT市場規模の予想

 IoTはまた、用途別にも切り分けることができる。PwCでは消費者向けのIoTとは別に、「IcS」(インダストリアルコントロールシステム=産業用制御システム)、「IIoT」(インダストリアルIoT)と呼称し、図2のように経済的価値と産業を変化させる影響力の大きさから見れば、インダストリアルIoTのインパクトが最も大きいとしている。

Photo 図2 経済的価値も産業界へのインパクトが大きいインダストリアルIoT
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