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» 2016年09月20日 13時00分 公開

“もの売りからサービス提供への転換”がIoTの本質、でも、どうやって?Weekly Memo(2/2 ページ)

[松岡功,ITmedia]
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IoTの活用は「もの売りからサービスビジネスへの転換」

 では、インダストリアルIoTを活用することによって、企業のビジネスはどのように変わるのか。アフメド氏はPwCがコンサルティングを行ったサーモスタッド(自動温度調節装置)メーカーA社の例として図3を示しながら、次のように説明した。

Photo 図3 事例に見る「もの売りからサービス提供への移行」

 「A社では当初、製品単体の販売からスタートし、製品+遠隔サポート、製品+付加価値サービス、そしてついにはIIoTを活用した組み込み型のPaaSを提供するようになり、収益を拡大させた。つまり、自らのビジネス形態を“もの売りからサービス提供へ”と移行させたことにより、顧客エンゲージメントと収益拡大を果たした」

 アフメド氏のこの説明は、言い換えると「製品を販売する企業が顧客エンゲージメントと収益拡大を図るためには、IoTを活用して自らのビジネス形態を“もの売りからサービス提供へ”と移行させる必要がある」と解釈することができる。キーメッセージは「もの売りからサービス提供への移行」である。

 そして、同氏は説明の最後に図4を示した。この図はPwCが描く「IoTオペレーショナルリファレンスアーキテクチャ」、要するにIoTを活用するためには、これだけのテクノロジーとオペレーションに関わる要素を考慮する必要があるということである。

 この図は取りも直さず、PwCならばこれら全てを考慮したIoTソリューションを提供できるというメッセージでもある。

Photo 図4 PwCが描く「IoTオペレーショナルリファレンスアーキテクチャ」

 アフメド氏に続いて説明に立った尾崎氏は日本企業の動向について、「日本でも多くの企業がIoTの活用をビジネスの重点戦略として捉え、取り組み始めている」と語った。だが一方で、「成果を上げるビジネスモデルをどのように描けばよいのか」と頭を悩ませている企業も少なくないという。

Photo PwCコンサルティング ストラテジーコンサルティングパートナーでPwCジャパン テクノロジー・メディア・通信産業リーダーの尾崎正弘氏

 これに対し、尾崎氏は「まずはもの売りではなく、サービスの対価として収益を得るという認識を明確に持つ必要がある。そしてIT分野におけるクラウドサービスのようなビジネスモデルを構築していかなければならない」との見解を示した。

 さらに、そうしたことを踏まえた上で、企業はIoTにどう取り組み始めればよいのかについては、「最初からROIに固執せず、IoTを活用できそうな領域に対して素早くパイロットプロジェクトを立ち上げ、やってみなければ分からない経験を重ね、やっていくうちにビジネスチャンスを見いだすといった攻めの姿勢を打ち出すことが大事ではないか」と語った。

 アフメド氏および尾崎氏が言うように、企業におけるIoTの活用はまず、「もの売りからサービスビジネスへの転換」という本質を理解することが肝要である。「最初からROIに固執せず、パイロットプロジェクトを素早く立ち上げて……」と尾崎氏が語るスタートアップの仕方についても重要なことである。そう考えると、IoT活用への取り組みは企業にとってまさしく経営革新である。果たして日本企業の経営者はその点を十分に認識しているだろうか……。

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