100年以上も大きく変わらなかったヨットの最高速度が、約10年で2倍以上も高速化した背景にはITの活用があるという。
「2007年頃まではタグボートでヨットをえい航しながら実際の動きを確認したり、模型を使った風洞実験で形状を確認したりしなければならず、エレメントの設計や検証に3〜5カ月を要していた」(バーンズ氏)
現在、Team USAでは1000コアのIntel Xeonプロセッサを搭載するスーパーコンピュータシステムやクラウドサービス、3Dプリンタなどを駆使している。これによって1000万から3000万点にもなるエレメントを瞬時に設計、検証できるようになったという。設計データをクラウド環境に置くことで本拠地やレース開催地でもデータを共有しながら、その場で3Dプリンタからモデルを出力して、検討するなどの活用も行っている。
またバーンズ氏によれば、スキッパーの力を引き出すことにもITを活用している。彼らの装着したセンサで心拍数や体温、発汗量などを測定し、それらのデータを日常のトレーニングに役立てている。また、レース時には測定データからコンディションの良いメンバーを選定しているとのことだ。
Team USAは、ディフェンディングチャンピオンとして2017年の第17回大会に出場する。同チームに戦いを挑むチームの予選大会も大詰めを迎えており、次回は11月18日〜20日にアジアで初めての予選大会「ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡大会」が福岡市中央区の地行浜で開催される。
Oracle OpenWorld会場のサンフランシスコ・モスコー二センターにはTeam USAの特設ブースも。あまりに巨大なヨットの展示は設置が難しいため、ヨットの操作を疑似体験できるアトラクションが来場者の人気を博していた
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